アルミ材と3Dプリント部品で組んだ自作のCNCルーター(コンピューター制御の切削機)の設計一式が「MyCNC」としてGitHubで公開された。作ったのはスイスのMartin Allemann氏で、2016年の最初のバージョンから改良を重ねてきた。同氏によると、現行のV4はアルミを問題なく削れる。同氏はリポジトリに部品表、配線図、CADデータをまとめ、V4は部品ごとの費用まで載せている。
最初のV1は、歯付きベルトでステッピングモーターの力を伝える構造で、木材の彫刻や穴あけ、輪郭の切り出しに使えた。同氏は、負荷をかけたときのベルトの安定性を弱点に挙げている。V3ではベルトを直径16mmのボールねじに、軸の案内を直動ガイドに替え、3Dプリント部品も剛性を上げる形に設計し直した。V3は繰り返し精度が約0.01mm、反転時のガタ(バックラッシュ)が約0.02mmに達し、同氏は木材の穴あけや樹脂のPOMの切削に使った。
V4の作業範囲は550×700×80mmで、繰り返し精度とバックラッシュはいずれも0.01mmと公表している。V1〜V3はRaspberry Piと拡張基板で制御していたが、V4では自作の6軸コントローラーに替え、Windows PCの制御ソフトからEthernet経由で動かす。同氏はZ軸を何度も作り直し、最新のZ軸は無垢のアルミで作った。
V4の部品表はCADモデルから書き出した237項目で、合計は4238.30ドル(約66万円)になる。内訳を見ると、6軸コントローラーが1282.20ドル(約20万円)、15Wのレーザーモジュールのキットが700ドル(約11万円)を占める。同氏は、費用はあくまで目安だとしている。
同氏は、加工物を回して側面も削れる4軸目と、2つの回転軸で4軸・5軸の加工ができる回転テーブルの設計も公開した。回転テーブルは試作機で、同氏は市販品ではなく、学び、試し、作り直すための開発用の構成だと説明している。5軸加工用のCAMソフト「Mas5ACAM」も自作している。
同氏はCADデータを汎用のSTEP形式でリポジトリに置き、SolidWorksとFusion 360の形式はリリースのページで配布している。ライセンスは、設計がCERN-OHL-S-2.0、文書と画像がCC BY-SA 4.0だ。