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電波を出さないドローンをプロペラ音で見つける、York大の学生が考案

ドローンを見つける装置の多くは、電波を探している。操縦者と機体のあいだの通信をつかまえて位置を割り出す方法で、よく効く。ただし機体が電波を出さなければ何も見つからない。光ファイバーで操縦するFPV機は、ガラスの糸を引きながら飛び、映像も操縦も線の中を通る。電波の側から見れば、そこには何もない。

York大学のAgam Rossen氏が公開した「VolAnti」は、電波の代わりにプロペラの音を聴く。羽根が空気を切る回数は毎秒の回転数と羽根の枚数で決まり、その倍数にも音のエネルギーが乗る。周波数の軸で見ると、等間隔に並んだ櫛の歯のような山ができる。風や車や雨は全体をぼやけさせるだけで、等間隔の歯は作らない。装置はその歯の間隔を測り、しばらく動かないことを確かめる。

91mmの箱にマイクを4本、ESP32-S3、電子ペーパー、LoRaの無線を収めた。マイクは79mm四方の十字に並ぶが、方向を割り出すためではない。扱う周波数では79mmが波長の10分の1しかなく、どちらから来た音も位相がそろって足し合わさる。同氏はビームフォーミングも試したうえで、この大きさでは何も得られないと書いている。狙いはSN比を6dBほど稼ぐことにある。

16kHzで512サンプルごとに2048点のFFTをかけ、32msに1フレーム進む。1フレームだけ点数が高くても相手にせず、同じ回転数が2%以内で6フレーム続いて初めて認める。判定は4系統あり、近づいてくる機体、ホバリングに移った機体、負荷のかかった低空飛行、静かにならない場所での長時間ホバリングをそれぞれ担当する。最初に確信した系統が警報を出す。

2026年9月6日、レンガの壁に挟まれ車の通る道で、104.2m先のホバリングを検知した。近くで人が話していても発報し、通過する車には反応しなかった。最初の音から警報が出るまでは0.23秒だった。ただし距離は風でひと桁変わるとも書いている。静かで無風なら100〜200m、風や騒音のある場所では15〜50m、風速8m/sを超えたら性能が落ちる前提で使えという。

同氏は範囲を明確に区切っている。検知して知らせるだけで、妨害も傍受も迎撃も、この先いっさい入れない。名前を引き継いだ派生でも同じで、その方向の提案は議論せず閉じるとしている。ハードウェアはCERN-OHL-W-2.0、ファームウェアはApache-2.0で公開しており、部品代はブレッドボードで組めば約7300〜9400円、基板から作っても約1万〜1万7000円だという。

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FabScene編集部

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