AIとIoTがさらに身近に ソラコムがローコード開発ツール「SORACOM Flux」でGPT-4.1対応を発表

IoTアプリケーション構築時の画面イメージ(画像出典元:プレスリリース)

生成AIブームが続く中、IoT分野でも最新AI技術の活用が加速している。株式会社ソラコムは6月2日、IoTアプリケーションをローコードで開発できる「SORACOM Flux」において、OpenAIの最新モデル「GPT-4.1」シリーズへの対応を発表した。専門的なプログラミング知識がなくても、現場の業務担当者が直接AI活用システムを構築できる環境がさらに充実することになる。

SORACOM Fluxは、センサーやカメラなどのIoTデータを入力として、生成AIによる分析と各種通知システムを組み合わせたアプリケーションをブラウザ上で構築できるサービス。製造業、物流業、小売業などの分野で利用されている。

高精度から軽量まで、用途に応じた3つのモデルに対応

今回の対応により、FluxではGPT-4.1の3つのバリエーション「GPT-4.1」「GPT-4.1-mini」「GPT-4.1-nano」を利用できるようになった。それぞれ異なる特徴を持ち、IoTアプリケーションの要件に応じて使い分けが可能だ。

最上位の「GPT-4.1」は、高精度な自然言語理解と複雑な文脈処理に優れており、IoTデータから得られる複雑な状況判断や高度な分析タスクに適している。一方、「GPT-4.1-mini」と「GPT-4.1-nano」は応答速度とコスト効率に優れた軽量モデルで、リアルタイム性が重視される用途や、センサーデータのスクリーニングといった定型的な処理において、運用コストを抑えながら活用できる。

これらのモデルはいずれもマルチモーダル処理に対応しており、テキストデータだけでなく画像データの解析も行える。例えば、製造現場のカメラ映像から異常を検知し、その状況を自然言語で説明するといった複合的な処理が可能になる。

利用する生成AIモデルをプルダウンから選択している画面(画像出典元:プレスリリース)

多様なAIモデルの選択肢でコスト最適化を実現

SORACOM Fluxの特徴の一つは、複数のAI事業者のモデルを統一的に利用できることだ。今回のGPT-4.1シリーズ対応に加え、既にGoogleの「Gemini 2.0 Flash」「Gemini 2.0 Flash-Lite」や、Amazon Bedrock上の「Anthropic Claude 3.7 Sonnet」にも対応している。

これにより、用途や予算に応じて最適なモデルを選択できる。例えば、高精度な分析が必要な重要業務にはGPT-4.1やClaude 3.7 Sonnetを、日常的な監視業務には軽量で低コストなminiやnanoバージョンを使うといった運用が可能になる。

特に、GPT-4.1-nanoは前世代モデルと比較して大幅なコスト削減を実現しており、より幅広い用途での生成AI活用が期待される。

ソラコムでは今後も、顧客のフィードバックと最新の生成AI動向を踏まえて、SORACOM Fluxのアップデートを継続していくとしている。IoT×生成AIの領域では技術革新が急速に進んでおり、現場での実用性を重視したサービス提供が企業の競争力向上に直結する時代になりつつある。

FabScene編集部