
Arduinoが2025年7月24日、小型開発基板「Arduino Nano」シリーズの新製品「Arduino Nano R4」を発表した。同製品は「Arduino UNO R4」と同じマイクロコントローラーRA4M1を搭載し、従来のNanoシリーズと比較してメモリ容量を大幅に増強している。
Arduino Nano R4は18mm×45mmのコンパクトサイズながら、Flashメモリは従来の8倍となる256kB、SRAMは16倍の32kBを搭載している。これにより、より複雑なプログラムや大容量のデータを扱うアプリケーションの開発が可能になった。
同基板は14本のデジタルI/Oポート、8つのアナログ入力(14ビットADC)、6つのPWM出力を備えており、I2C、SPI、UART通信にも対応している。また、センサーとの接続を簡単にするQwiicコネクターも新たに搭載された。
Arduino Nano R4の最大の特徴は、Arduino UNO R4との互換性にある。同じマイクロコントローラーRA4M1を搭載することで、UNO R4でプロトタイピングを行い、Nano R4で製品化するというシームレスな移行が可能になった。
また、端面スルーホールピンと片面実装の設計により、カスタムハードウェアの製作も容易になっている。従来のNanoボードとピン配置の互換性を保ちながら、より高性能な処理能力を提供する。
電源は入力電圧6〜21V(VIN)またはUSB-C(5V)に対応し、動作温度範囲は-40°C〜+85°Cと産業用途にも対応可能な仕様となっている。48MHzで動作するマイクロコントローラーには8kBのEEPROMも内蔵されている。
スイッチサイエンスでは、ピンヘッダ未実装版を2,530円、ピンヘッダ実装済み版を2,750円で販売を開始している。同社は2008年からArduino製品の正規代理店を務めており、Arduino IDEの日本語化プロジェクトにも参加している。