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強襲揚陸艦の甲板で1000点を3Dプリント、米企業が洋上工場を実証

画像出典元:US Navy

米Firestorm Labsは2026年8月5日、コンテナに収めた製造設備を強襲揚陸艦「エセックス」に積み込み、航行中に1000点を超える部品と12機のドローンを造形したと発表した。サンディエゴからハワイまでの2週間の航海での出来事で、同社の設備を洋上で動かしたのは初めてになる。作られたドローンは、到着後の環太平洋合同演習で実際に飛んだ。

使ったのは「xCell」と呼ぶ設備で、20フィートの拡張式コンテナ2基に工業用の3Dプリンターを収めている。設置した場所がそのまま生産拠点になる考え方で、部品を本土から運ぶ代わりに、必要な場所で作る。

航海中の海況は5に達し、波の高さは約3.7mに及んだ。同社は、南カリフォルニア沖では5年で最も荒れた海だったとしている。揺れる船上でも造形は止まらなかった。

出力したものは3つに分かれる。1つ目はプリンターが航行中も精度を保てるかを調べる試験片、2つ目は自社のFPVドローンと無人機の部品、3つ目は乗員から要望のあった補修部品だ。

なかでも成果として挙げられているのが、アパッチ攻撃ヘリコプター用の部品だ。陸軍と海軍が初めて洋上でアパッチを運用するにあたり、回転翼が垂れ下がるのを抑える金具を設計して作った。ヘリコプターを船で運ぶこと自体は珍しくないが、回転翼を付けたまま艦上で運用した例はない。同社によれば、主回転翼は50万ドル(約7960万円)、羽根が甲板に当たれば1枚あたり23万ドル(約3660万円)かかる部品で、それを守る目的がある。

もう1つは救命胴衣の点検に使う吸引用の継ぎ手だ。膨らませたり空気を抜いたりして点検する必要があるが、掃除機と胴衣の吸い口をつなぐ部品が存在しなかった。乗員の思いつきをもとに、掃除機の種類に応じた3種類を作っている。

このほかにも20点以上を乗員の求めに応じて作った。甲板の固縛具を点検する治具、現物から寸法を起こしたバルブのハンドル、電気を通さない不発弾処理用のナイフ、Starlinkの取り付け金具など、壊れたか失くしたか、洋上では手に入らないものが並ぶ。

同社は背景として、米海軍のおよそ290隻のうち、常時展開しているのは3分の1程度で、残りは訓練と修理に充てられている点を挙げる。部品を船の上で作れれば、補給を待つ日数と港へ戻る手間が減る。同社CEOのDan Magy氏は、実際に乗員が必要とした部品を、実際に直面する条件下で作った点に意義があると述べている。

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FabScene編集部

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