ショウジョウバエの脳全体の神経の配線をGPUで動かし、近づいてくる人から逃げるロボット「FlyHead」が、2026年11月2日にGitHubで公開された。作者はGitHubで12sqawdwqの名で活動しており、ハエの脳をロボットの「頭」にしたと説明している。
FlyHeadが使うのは、研究プロジェクトFlyWireが作成した脳全体の配線データで、13万8639個のニューロンと1509万1983件の接続を含む。神経の計算モデルはオープンソースの「fly-brain」を式に手を加えずに使う。作者はこの脳に学習をさせていない。
ロボットの本体は車輪付きの脚を持つロボット「DIABLO」で、Raspberry Pi 4Bと、レーザーで周囲の距離を測るLiDARを積む。作者のシステムは、LiDARが捉えた物体が迫る速さを、迫る物体に反応するニューロン(LC4、LPLC2)への入力に変える。信号が配線を伝わり、実際のハエで跳躍を起こす巨大な神経DNp01などが反応すると、ロボットは後ずさりするか、向きを変えて離れる。脳の計算はGPUを積んだ別のコンピューターが0.1秒ごとに進める。
人がロボットに歩み寄る実験の動画では、脳がロボットを動かした262秒の間に30回の逃避を指示し、接触は報告されていない。迫る物体を検知してから逃避を決めるまでの時間は中央値で0.35秒だった。一方、実機で人が迫った12回のうち4回は、逃避が起きなかった。止まらずに追いかけてくる物体を想定した模擬試験では、脳を使わない場合より接触が増えたと作者は書いている。
作者のシステムは脳の指示をそのままモーターに送らない。安全のための処理が速度を下げるか止めることはあっても、上げることはない。ロボットは脳を使わずに建物の地図で走る自律走行の仕組みも別に持ち、作者はその走行の動画も公開している。
FlyHeadのコードにはライセンスが設定されておらず、作者が権利をすべて保持している。作者は、ロボット側で動くコードがリポジトリに含まれていないことをREADMEに明記している。脳の計算には、16GB以上の空きメモリーがあるCUDA対応のGPUが要る。