セイコーエプソンは2026年10月29日、同社初の人協働ロボット「AX6-A901S」と、小型のロボットコントローラー「RC-A101」を発表し、受注を始めた。人協働ロボットはリスクアセスメントと安全対策を行えば、人と作業空間を共有するシステムに組み込めるロボットを指す。AX6-A901Sの最大可搬質量は6kg、アーム長は900mmだ。受注はエプソンジャパンが受け付ける。価格はオープンで、出荷時期は公表していない。
同社によると、製造業や医薬品・医療機器、食品、研究機関では人手不足と熟練作業者の減少が進み、作業の品質と再現性の確保が求められている。医薬品・医療機器や食品の分野では、異物の混入や汚染を防ぐ衛生管理も課題になっている。同社は2025年6月3日にこのロボットの開発を発表していた。エプソンはロボットメーカーであると同時に、自社工場でロボットを使うユーザーでもある。その立場から、開発環境の提供から導入支援、サポートまでを一括で手がけるとしている。
AX6-A901Sは6軸のロボットで、繰り返し精度は±0.03mm、アーム先端の最大速度は毎秒2000mm、本体の質量は18kgだ。架台のほか、天井、壁、斜めの面にも取り付けられる。外観は凹凸を減らして清掃しやすくした。アーム先端には手先の工具をつなぐ入出力が最大2系統あり、イーサネットとエアーの配管はアームの内部にまとめた。保護等級はIP54、クリーン環境はISO Class 5に対応する。ただし、どちらも設計上の評価に基づく値で、出荷時の性能は保証しないと同社は断っている。
プログラムはブラウザーで動く開発環境「AX Portal」で組む。インストールは要らない。汎用のプログラミング言語Pythonのほか、ブロックを並べて動作を組み立てる方式にも対応し、ロボット専用の言語を覚えなくても扱えるとしている。外部の機器やシステムとはTCP/IP、REST、ROS2、Modbus TCPでつながる。安全機能として、速度と位置の監視、人に当たったときの力を制限する機能を備える。
RC-A101の外形寸法は440×205×140mm、質量は5.5kgだ。電源は交流100〜240Vのほか、直流48Vに標準で対応する。同社は無人搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)に載せ、搬送と作業を組み合わせた自動化に使えるとしている。