
Raspberry Pi公式出版社のRaspberry Pi Pressが、電子工作入門書「Simple Electronics with GPIO Zero」の第2版を発売した。初心者向けにPythonとGPIO Zeroライブラリーを使ったRaspberry Piの電子工作を解説する100ページの書籍で、LEDの点灯制御からロボット製作まで12の章で段階的に学習できる。
書籍はPhil King氏が執筆し、最新のRaspberry Pi 5を含む現行デバイスに対応している。初版は2016年に発売されており、今回の第2版では約9年間で変化したソフトウェア環境やライブラリーの名称変更、Pythonのパッケージインストール方法の更新などを反映している。
GPIO Zeroライブラリーは、従来の電子部品制御に必要だった多数のボイラープレートコードを自動化し、初心者でも理解しやすい簡潔なコードで物理デバイスの制御を可能にする。LEDやセンサー、モーターなど多様なコンポーネントをPythonから操作でき、抽象的なプログラミング学習よりも実践的で興味深い学習体験を提供するという。
12の実践プロジェクトでスキルアップ
書籍では以下の実践的なプロジェクトを通じて電子工作のスキルを段階的に習得できる構成となっている。LED制御プログラムから始まり、プッシュボタンの追加、動作検知アラームの構築、距離測定器の製作、レーザー式トリップワイヤーの制作、そして最終的にはRaspberry Piロボットの製作まで対応している。
各プロジェクトは回路図とPythonコードを含む詳細な解説付きで、ブレッドボードを使った配線方法から実際のプログラミングまで包括的にカバーしている。特に物理コンピューティングが初めての読者にとって、抽象的なリストやループといったプログラミング概念よりも、実際に目に見える結果が得られる学習方法として有効だと説明されている。
Raspberry Pi 5では従来と同じ40ピンGPIOレイアウトを維持しているが、ソフトウェア環境は大きく変化している。ライブラリーの名称変更やコマンドの変更、リソースの更新、Pythonパッケージのインストール方法の変更などにより、2016年版の内容では現在の環境に対応できない部分が生じていた。
書籍は英国のRaspberry Pi Pressから10.99ポンドで発売されており、AmazonのUK版と米国版でも購入可能だ。