Categories: ニュース

PC Gamer付録デモディスク758本・1.2TBがInternet Archiveで無料公開——フロッピーからDVDまで

インターネット普及以前、PCゲームの最新デモを手に入れる最短ルートは雑誌の付録ディスクだった。米国版PC Gamerが1990年代から2000年代にかけて毎号に付けていたデモCD・DVDがInternet Archiveに保存され、現在758点がブラウザから無料でアクセスできる状態になっている。コレクションは複数のコントリビューターが構築したもので、総容量は1.2TBに達する。

1993年・1994年のフロッピーディスクから始まり、CD-ROM、DVDへと進化する付録の変遷がそのままアーカイブされている。たとえば1997年10月号の「Quake-O-Rama」ディスクにはQuakeのカスタムマップに加え、当時コミュニティが制作した速攻クリア動画プロジェクト「Quake done Quick」のデモファイルが収録されており、初期オンラインゲーム文化の記録として価値がある。2008年3月号のディスクにはTelltale GamesのSam & Maxの1エピソード丸ごとと、長らく開発が続いていたDuke Nukem Foreverのプロモーション素材が同居している。コレクションの一部はブラウザ上のエミュレーター環境でそのまま動作させることもできる。

Internet Archiveは「あらゆる知識への普遍的なアクセス」を掲げる米国の非営利団体で、ウェブサイトの過去のスナップショットを閲覧できる「Wayback Machine」でも知られている。寄付を主な財源として運営されており、書籍・音楽・ソフトウェア・映像など数百億点のデジタルコンテンツを保存している。

ただし近年、著作権をめぐる圧力が強まっている。書籍のデジタル貸出については大手出版社4社との訴訟に敗訴し(2024年)、音楽レーベル各社との別訴訟も続いている。また2025年8月には、AI企業がInternet Archive経由でデータを収集しているとして、RedditがWayback Machineによるクロールをトップページ以外ほぼ全面遮断した。

今回の付録ディスクコレクションは、そうした争点の中心にある「著作権で保護された市販書籍のデジタル化」とは性格が異なる。収録されているのはゲームの体験版・シェアウェア・プロモーション素材が中心で、元来「広く配布されること」を前提に作られたコンテンツだ。ただし商業ゲームのデモが含まれる場合もあり、将来的に問題が生じる可能性を完全に排除はできない。

関連情報

FabScene編集部

FabScene編集部