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定番データ3DBenchyの最速造形に挑戦、個人製作の3Dプリンターが1分切りに成功

3DBenchyという小さなボートの3Dモデルは、3Dプリンターの実力を測る定番のベンチマークだ。これをどこまで速く印刷できるかを競う遊びがメイカーの間にあり、Yan Roetz氏は2年前、1分を切れるかという問いを自らに課した。前回の到達点は74秒。残り15秒を削るには、機械の大幅な作り直しが必要だった。

高速印刷を阻む壁は主に3つある。溶かした樹脂を送り出す流量、それを固める冷却、そしてヘッドや造形物を動かす駆動系だ。自作の「Minuteman」のホットエンドは毎秒約400立方mmの流量に対応し、エアダクトは毎分約400Lの圧縮空気を吹き付ける。流量と冷却は1分切りに十分と判断し、残るボトルネックである駆動系を全面的に作り直す方針を取った。

鍵は慣性の低減にある。動く部品が重いほど加速と減速に時間がかかるため、可動部の質量を半分まで削った。プーリーは1個約40gのアルミ製から、樹脂造形した約15gの軽量品に置き換えた。さらに駆動プラットフォーム全体を、ウォータージェットで切り出したカーボンファイバー板とDyneema製のロープで再設計し、動く質量を約117gから約60gへ落とした。約1300kgの花崗岩の定盤が、その高速運動の反力を受け止める。

スライサーの見積もりで59秒、狙い通り1分を切るBenchyの出力に至った。印刷速度は毎秒1700mmで、材料はPLA。冷却にはヘリウムやドライアイスではなく、あえて安価な圧縮空気を使った。量産用途への転用を見据えた判断だという。Roetz氏は速度ランキングの上位を狙わず、品質との両立を優先したと話す。最終的な造形物の3DスキャンはPrintablesで公開しており、軽量化と慣性低減を軸にした設計は、自作機の高速化を考える際の参考になるだろう。

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FabScene編集部

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