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Oura Ringが訴えられる、原告は「睡眠は脳で起きて指では起きない」と主張

スマートリング「Oura Ring」の睡眠段階の測定精度をめぐり、購入者がOura Inc.とOura Health Oyを相手取った集団訴訟を2026年8月20日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に起こした。原告はロサンゼルス郡在住のMadison Surber氏で、2025年5月22日に同社サイトから「Oura Ring 4 Gold」を約513.68ドル(約8万2000円)で購入している。事件番号は3:26-cv-08686で、代理人はカリフォルニア州のクラークソン法律事務所が務める。

以下に記す技術的な指摘は、いずれも原告が訴状で述べている主張である。訴訟はまだ始まったばかりで、裁判所の判断は出ていない。Ouraは各媒体の取材に対して現時点で回答していない。同社の反論が示されれば、内容が変わる可能性がある点を先に断っておく。

原告の主張の主軸は、睡眠段階の定義そのものに置かれている。訴状によると、深い睡眠(ステージN3)は米国睡眠医学会の基準で、周波数0.5〜2.0Hz・振幅75μV以上の徐波が30秒の区間に20%以上現れる状態と定められている。レム睡眠は「急速眼球運動」の名のとおり、眼球の動きで定義される。つまり判定の基準そのものが、脳波と眼球の動きを測ることを前提にしている。

そのうえで原告は、指輪型の機器がこれらのセンサーを積んでいないと指摘する。臨床で使う睡眠ポリグラフ検査は、頭皮に貼る脳波計、目の周りの眼電図、あごの筋電図、心電図を組み合わせる。Oura Ringが読んでいるのは心拍数、心拍の揺らぎ、体の動き、指先の皮膚温度、新しい機種では血中酸素の傾向で、いずれも神経の活動を直接は測っていない。訴状はこれを「睡眠は脳で起きるのであって、指で起きるのではない」と表現する。

原告が矛盾として挙げるのは、Oura自身の記述だ。同社のブログには、Oura Ringを使うことは睡眠ポリグラフ検査と同じではない、脳の電気活動も眼球運動も測っていないためだ、と読める説明がある。一方で製品ページには「臨床の睡眠検査室と比べて睡眠段階の判定精度95%」「睡眠ポリグラフ検査との一致率79%」「比類のない正確さ」といった表現が並ぶ。技術ブログと販売ページで説明が食い違っている、というのが原告の指摘である。

数字の読み方についても踏み込んでいる。訴状が引くのは、Oura自身が資金を出した検証研究だ。96人・42万1045区間を対象にした比較で、浅い睡眠は実際が175分より短いと多めに、240分より長いと少なめに出る。深い睡眠は40分より短いと多めに、90分より長いと少なめに出る。レム睡眠は一貫して少なめに出る。原告は、95%という1つの数字の裏にこうした偏りがあると述べる。

原告は競合との対比も持ち出す。SleepOnやCirculのように似たセンサー構成のスマートリングは段階別の精度をうたっていない。脳波を使うヘッドバンド型や在宅用の睡眠ポリグラフ機器は、脳の活動を直接測っている。原告は、測れない機器が測れるとうたうことで不当な競争上の優位を得たと主張する。

訴えは連邦全体の集団とカリフォルニア州の小集団を想定し、虚偽表示による詐欺、不当利得、州の不正競争法違反など7つの請求からなる。求めているのは、問題とする広告表現の差し止めと購入者への返金だ。

関連情報

CLASS ACTION COMPLAINT, Surber v. Oura Inc. et al.(Clarkson Law Firm)

FabScene編集部

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