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韓国POSTECHが色ずれのないメタレンズを開発、樹脂を型で刷って複製できる

韓国の浦項工科大学(POSTECH)の研究チームが、赤・緑・青の3色を色ずれなく1点に集める薄型レンズ「メタレンズ」を、安価な樹脂と型を使った転写で作る手法を開発した。ナノ構造の「高さ」を設計に加えることで、これまで必要だった高屈折率の材料や複雑な形状を使わずに済ませた。成果は2本の論文としてNature Communicationsに掲載され、同大学が2026年8月19日にまとめて発表した。

メタレンズは、光の波長より小さい柱状の構造を並べ、光の進む向きを制御する平らなレンズだ。何枚ものガラスレンズを重ねる従来の光学系と違い、1枚の平板で同じ働きをする。ARやVRの眼鏡型端末を薄く軽くする部品として期待されてきた。難関は色収差で、赤・緑・青の光を同じ位置に集めないと像がにじむ。しかも量産に向く安い低屈折率の材料では、この性能を出すのが難しかった。

これまでの設計は、柱の太さを変えて光を操る考え方が中心で、加工の制約から高さは固定されていた。研究チームは高さを変数として加えた。同じ敷地面積の建物でも階数を変えれば街並みが変わるように、高さの違う柱を並べれば通る光の位相をずらせる。屈折率が約1.5しかない樹脂でも、円柱と角柱という単純な形だけで3色の位相を合わせられた。

2本目の論文は、その構造をどう量産するかを扱う。電子線リソグラフィーで照射量を段階的に変え、深さの異なる穴を刻んだ型(ナノテンプレート)を作る。そこにUV硬化樹脂を垂らし、PETフィルムをかぶせて2分間紫外線を当てると、高さの違う柱がまとめて写し取れる。従来のナノインプリントは同じ高さの模様を繰り返し刷る用途に向いており、高さの異なる構造を一度に複製するのは難しかった。型が凹型で機械的に丈夫なため、繰り返し使える点も利点に挙げる。柔らかい中間の型を作る工程と、高圧をかけての硬化が要らなくなった。

試作したレンズは直径1.2mmで、開口数は0.31になる。450nm、532nm、635nmの3波長すべてが、設計した1.8mmの焦点面から7μm以内に集まった。集光の鋭さを示すストレール比は0.83〜0.86で、回折限界とみなす0.8を超えた。集光効率は450nmで14.8%、532nmで11.3%、635nmで12.3%だった。研究チームはこのレンズをOLEDディスプレイと組み合わせたVR光学系に載せ、色のにじみのないフルカラー画像を得た。

もう1本の論文は、二光子リソグラフィーという高精度な3Dプリント技術で3次元のナノ柱を直接造形する手法を扱う。多様な柱の設計をデータベース化し、レンズの位置ごとに最適な構造を自動で選ぶ逆設計を組み合わせた。

研究を統括したJunsuk Rho教授は、ARやVR向けのフルカラーメタレンズを産業で使える形にする製造技術を示した点に意義があると述べ、眼鏡型端末や次世代ディスプレイにとどまらず、撮像装置や光センサーなど幅広い光学分野に応用できると見込む。2本の論文はいずれも査読を経てオープンアクセスで公開されている。

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FabScene編集部

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