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ラズパイHDの上期売上高、90%増で過去最高 前年に買いためたメモリーが支えに

英Raspberry Pi Holdingsは2026年9月24日、2026年1〜6月期(上期)の決算を発表した。売上高は前年同期比90%増の2億5690万ドル(約400億円)、税引前利益は約3.2倍の1960万ドル(約31億円)で、いずれも上期として過去最高だった。メモリーの値上がりが続くなか、前年に安く買いためておいたメモリーを使いながら、ボードの販売価格を引き上げたことが利益を押し上げた。

同社は2025年、需給の逼迫と値上がりを見込んで、ボードに載せるメモリーを戦略的に買い込んでいた。保有するメモリーの1GB当たりの平均単価は、2025年12月末の3.6ドル(約570円)から2026年6月末には13.3ドル(約2100円)と、約3.7倍になった。値上げに伴い、直販で売れたボードの平均販売価格は37.1ドル(約5800円)から56.0ドル(約8800円)に上がった。

それでも販売は伸びた。直販の台数は、Raspberry Pi 4が69%増、Raspberry Pi 5が47%増、組み込み向けのCompute Moduleが57%増だった。値上げの幅が大きい8GBモデルでも需要は伸び続けたという。値上げを受けて、メモリー容量を中間に抑えたいという顧客の要望に応え、Raspberry Pi 4には3GBモデルを追加した。

メモリーの確保は今も続けている。保有量は6月末に580万GB、8月末には830万GBに増え、同社によると関連製品の約3カ月分の販売に相当する。上期には新たなメモリー調達先を複数採用し、下期にも増やす予定だ。7月8日には、部品を調達するための銀行融資の枠を8000万ドル(約130億円)から1億4000万ドル(約220億円)に広げた。

需要は強い。上期の出荷台数は17%増の420万台で、受注残は2025年12月末の130万台から260万台に倍増した。分野別では、スマートホームと航空宇宙・防衛の引き合いが特に強いという。地域別では、中国で同社の半導体を中心に需要が伸びた。米国でも需要は強く、同社は供給網の強さと輸入関税の低さを重視する顧客が多い市場だと説明している。同社は、メモリー市場の逼迫で機器メーカーの部品調達が難しくなり、自社で基板を設計する代わりにRaspberry Piを使う選択肢の重みが増していると説明する。

生産面では、製造を委託するソニーと協力して既存の生産能力の稼働率を高めた。下期には、ソニーと共同で投資した新たな生産能力が稼働する。一方、Raspberry Pi Zeroは、台湾のパッケージング業者の生産が混み合い、中核部品の供給が滞った影響で販売が9%減り、100万台が受注残になっている。Raspberry Pi Picoなどに載る分を含むマイコンの販売は、大口の注文が少なかったことから11%減の400万個だった。

先行きについて同社は、安く仕入れた在庫はほぼ使い切り、ボード1枚当たりの利益は下がっていると説明する。上期平均で12.2ドル(約1900円)だったボード1枚当たりの粗利益は、同社によると6月には10.8ドル(約1700円)になった。今回のメモリー価格の高騰は業界で周期的に起きる現象の大きな例だとし、新たな供給が本格的に増えるのは2028年と見込んでいる。それでも2026年の生産に必要なメモリーは確保済みで、下期の出荷台数は上期を上回る見通しだ。

最高経営責任者(CEO)のEben Upton氏は「2025年度に戦略的なメモリー在庫を積み上げると決めたことで、小規模な競合が割り当ての確保に苦しむなかでも、製品を供給し続けられた」と述べた。

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FabScene編集部

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