英Raspberry Piは2026年9月29日(現地時間)、組み込み機器向けの小型コンピューター「Raspberry Pi Compute Module 5」(CM5)をデジタルサイネージ用のディスプレイに内蔵するためのアダプター基板「Raspberry Pi Smart Display Module」を発売した。同社が認める世界各地の販売店で扱う。
この基板は、Intelが定めたSmart Display Module(SDM)規格に準拠している。CM5を載せた基板をSDM対応のディスプレイのスロットに差し込むと、電源、映像、音声、データ、制御の各信号がディスプレイ内部の端子でつながる。外付けのメディアプレーヤーや配線、電源アダプターを用意しなくて済む。SDMに対応したプロジェクターと組み合わせることもできる。
同社は2026年1月に製品を予告し、2月にスペイン・バルセロナで開かれた展示会Integrated Systems Europe(ISE)で公開していた。開発はSharp Display Solutions Europeと共同で進めた。
同社によると、4K動画を再生でき、ファンを持たないため24時間連続の運用に向く。Raspberry Pi 5やCM5に対応済みの多くのコンテンツ管理システムと互換性があるとしている。基板にはM.2スロットを備え、高速なストレージや、Hailoのプロセッサーなどを使ったAI処理用の拡張カードを追加できる。基板上にはHDMI 2.0出力、USB 3.0、ギガビットEthernetの端子もある。
想定する用途は、空港の運航情報表示、施設の案内表示、店舗や企業のサイネージなどだ。小規模事業者向けにサイネージの運用サービスを手がけるMedia Looperは、シャープのディスプレイと組み合わせて3カ月間試用した。創業者のJon McIntosh氏は「Raspberry Pi 5でできることはすべてでき、顧客が触ってしまうケーブルも電源も取り付け金具もない」と述べ、SDMスロットを持つディスプレイの顧客には標準の構成として採用したいという。
価格は30ドル(約4700円)。CM5は別売りとなる。