アメリカ・カリフォルニア州のGavin Newsom知事は2026年9月26日(現地時間)、3Dプリンターに銃の設計データを弾く機能を義務づける法案「AB 2047」に署名した。法案は同日付で州務長官に届け出られ、州法として成立した。新しい規定は、州の民法典に「Firearm Printing Prevention Act」として加わる。
法案はRebecca Bauer-Kahan州下院議員が2026年2月17日に提出し、8月31日に州議会の上下両院を通過していた。上院での審議中に、機能を無効にした所有者を軽罪に問う条項や、違反した販売への民事罰などが削られている。
ただし、成立と同時に販売の規制が始まるわけではない。規制が動き出すかどうかは、標準化団体ASTM Internationalが業界規格をつくるかどうかにかかっている。
州司法省は遅くとも2027年7月1日から、四半期ごとに、ASTMが3Dプリンター向けの銃器ブロック技術の規格を公表したかを確認する。規格が出ていて、しかもその規格が「3Dプリンターにこの機能を載せることは技術的に可能だ」と示していると判断した場合に限って、次の段階に進む。州司法省は24カ月以内に、プリンターが備えるべき最低性能の基準を公表する。その公表から1年たつと、基準を満たす機能のない3Dプリンターを州内で販売することや、対価を得て譲渡することが違法になる。
2029年7月1日の時点でASTMが規格を出していなければ、州司法省はそれ以上確認しなくてよい。条文にはそう定めており、この場合、販売の規制は発効しないまま終わる。
一方で条文は、州司法省が基準をつくるときの裁量も広く認めている。基準には、メーカーが機種ごとに機能の適合を州へ自己申告する手続きを盛り込める。当初の法案では、この機種ごとの届け出はメーカーの義務だったが、州上院での審議中に削られていた。成立した条文では義務ではなく、州司法省が選べる手段として残った。このほか、州司法省はほかの州の政府機関が定めた規格を基準に取り込むことができ、ASTMが規格を改めれば基準を更新できる。
対象から外れるものも条文に書き込まれた。映像や演劇の小道具作りだけに使うプリンターには、この規制がかからない。ブロック機能の開発や検証のために銃の設計データを配る行為は、設計データの配布に対して州法が定める民事責任を問われない。州司法省は規則によって、さらに例外を設けることもできる。