
VRデバイスやウェアラブル機器を手がけるShiftallが2025年6月30日、ペルチェチラー方式を採用した水冷ウェア「ChillerX(チラーエックス)」を発表した。環境温度から最大-35℃まで冷却可能な2つのペルチェ素子で水を冷やし、電動ポンプで冷却水を循環させる新方式を採用。従来の点冷却とは異なり約14倍の冷却面積で上半身を面冷却する。価格は3万9990円(税込・送料込、バッテリー含まず)で、2025年8月上旬から順次出荷予定。
従来のペルチェチラー方式を採用した冷却ウェアは10万円を超える高価格が中心だったが、同社の量産ノウハウにより個人でも手の届く価格を実現した。バイクや自転車での移動、キャンプ、釣り、ガーデニングなど、個人のアウトドアレジャーから写真・動画撮影まで幅広い用途での活用を想定している。
「ChillerX」は2つの高性能ペルチェ素子を搭載し、50Wの大電力で冷却することで圧倒的な冷却性能を実現する。従来の点で冷やすペルチェ直冷方式と異なり、面で上半身全体を包み込むように冷却し、ペルチェ直冷方式の約14倍の冷却面積で熱くなった身体を広範囲に冷やし続ける。
長時間使用でもぬるくならない循環方式
ペルチェで冷却した水が常に循環し続けるため、氷で冷やした水を循環させるタイプの製品のように長時間使用してもぬるくなることがない。約60mlの水を電動ポンプで循環させ、最大約2.5時間の連続稼働が可能(25000mAh/3.6V/90Whのバッテリー使用時、ECOモード)。
付属の専用ベストは胸と腰のアジャスターベルトにより、脇の下(肋骨上部)と腰にぴったりと密着して冷たさを逃さない設計となっている。肩ベルトの調整により背中上部(首の下あたり)にも冷却パッドが密着し、動いてもズレにくく幅広い体型に対応する。
冷却ユニット部は防水ではないが簡単に取り外しが可能で、取り外したベスト部は水洗いができるため常に清潔に保てる。重量は約1.6kg(バッテリー含まず)で、USB Type-C(DC20V 3A)で給電する。
動作モードはMAXモードとECOモードの2種類を搭載している。より大きな容量のモバイルバッテリーを使用すれば3時間、6時間といった長時間動作が可能で、USB PD(20V 3A)のACアダプターと接続すれば時間無制限での使用もできる。
動作確認済みモバイルバッテリーとして、エレコム EC-C17LBK(20000mAh)、オウルテック OEC-LPB20015-Rシリーズ(20000mAh)、CIO CIO-MB67W2C1A-20000(20000mAh)、UGREEN 90597A(25000mAh)が挙げられている。
製品には「ChillerX」本体、専用水冷ベスト、水注入ホース、取扱説明書、安全上のご注意・保証書が付属する。