
タミヤは2025年7月22日、同社代表取締役会長の田宮俊作氏が7月18日に逝去したことを発表した。田宮氏は1934年12月19日生まれの90歳だった。葬儀については故人の遺志により近親者のみで執り行われ、後日お別れの会を開催する予定としている。
田宮氏は創業2代目として1977年にタミヤ社長に就任、2008年から会長を務めていた。木造模型からプラスチック模型への転換を主導し、ミニ四駆の開発などを通じてプラモデル文化を発展させた功績で知られている。
海外取材による精密モデル開発とグローバル展開を牽引
田宮氏は海外の博物館などでの取材による精密なスケールモデルの開発、電動ラジオコントロールカー、ミニ四駆の開発と世界的な普及に貢献した。同氏が入社した1958年当時、欧米からのプラスチックモデルの流入という危機に直面していたが、木製からプラスチックを素材とした模型製造への大転換を果たした。
いち早く海外市場に目を向け、海外の展示会への出展、海外現地法人や生産拠点を設立した。1968年にはニュルンベルク国際玩具見本市に初出展し、以来51年連続出展を続けるなど、日本の模型文化を世界に広める先駆的役割を果たしてきた。
特にタミヤの製品品質への取り組みは世界的にも評価され、実車を購入して分解調査を行うなど、徹底した取材に基づく精密なスケールモデルの開発で世界的な評価を獲得した。これらの製品は単なる玩具を超えて、世界中の子どもたちに「ものづくりの楽しさ」と「本物を追求する情熱」を伝える教育的価値を持つものとして親しまれている。