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米UCLAが映したものを別の絵に変える鏡を開発、電源も計算機も不使用

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームが、映したものを別の絵に変えて見せる鏡を開発した。手書きの数字を映しても、洋服を映しても、動物を映しても、出てくるのは決められた1枚の何気ない絵になる。元の像は復元できない形で消える。計算機もソフトウェアも介在せず、変換は光が面に当たって進む間に完結する。

仕掛けは、通常の鏡の手前に置いた1枚の薄い板にある。板の表面には光の位相をずらす微細な構造が120×120個並び、1個の大きさは光の波長の半分ほどしかない。この凹凸の配置を深層学習で最適化してあり、入射した光が回折して進むうちに、狙った出力の絵になるよう波面が組み替わる。板と鏡を合わせた奥行きは波長の53.3倍で、可視光なら1mmに満たない。

学習に使ったデータと違う画像でも同じように働く点が、この設計の要になる。研究チームは、洋服の画像で学習させた板に手書き数字や落書き、一般的な写真データセットを通した。いずれも学習時には一度も見せていないものだが、出力は設計どおりの絵にそろった。無数の入力に対して1つの出力を返すよう作られているためで、特定の数枚を隠す仕組みとは性質が違う。

入力を乱しても崩れない。画像を回転させ、位置をずらし、大きさを変えても、出力は同じ絵になった。強さを変えたノイズを重ねた場合も、変換は成立している。学習に使っていない、白と黒をでたらめに並べただけの模様や、明るさが一様にばらついた模様を入力しても同じだった。隠したい対象をあらかじめ想定しておく必要がない。

実験でも確かめた。構造を刻んだマイクロミラーアレイを作り、青・緑・赤に対応する波長480nm、550nm、600nmの光を当てて、狙った出力が得られることを実証している。板を作ってしまえば電源はいらない。動く部品もなく、消費電力はゼロになる。

研究チームは用途として、防衛や警備、それにエンターテインメントを挙げる。歪んだ鏡は知覚のゆがみを調べる心理学の実験でも使われてきた道具で、その延長にあたる。成果は2026年8月7日、学術誌Nature Communicationsに掲載された。

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FabScene編集部

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