ハードウェアのオープン化に積極的な姿勢を続けてきたValveが、自社初のフル機能ゲームパッド「Steam Controller」と充電用「Puck」のCADデータを公開した。Valveは2026年5月4日に自社のSteam Hardwareコミュニティに告知し、外殻(サーフェストポロジー)のCADファイル一式をCreative Commonsライセンスで配布した。データはSteamのGitLabインスタンス(gitlab.steamos.cloud)からダウンロードできる。本体内部の電子部品は含まれず、配布対象は「ハック、モッド、アクセサリー設計のため」と告知に明記されている。
公開されたのはSteam ControllerとPuckそれぞれのSTPモデル、STLモデル、エンジニアリング図面のセット。図面には設計上のクリティカルフィーチャーとキープアウト領域(部品の干渉を避けるための禁止区域)が記載され、外装シェルやスタンド、ドック、エルゴノミックグリップを設計する際の寸法基準として機能する。STPは多くの3D CADで編集できる中間フォーマットで、STLは3Dプリンター向けの三角メッシュ。CC配布のためフォークや派生作品の公開も認められる。改造による故障はメーカー保証の対象外になるとValveは注意を添えている。
3Dプリンター所有者にとっては実機購入前にコントローラーのシェルだけ3Dプリントして握り心地を確認するという使い方も成立する。実際、Steam Controllerは発売初日に完売しており、再入荷の見込みは未定。サードパーティーのアクセサリーメーカーが採寸目的で実機を分解する手間を省ける点でも意味は大きく、カスタムシェル、ウォールマウント、トラベルケース、専用ドックなどを早期に商品化できる素地が整った。Valveはモッドフレンドリーに設計したPCゲーム機「Steam Machine」のCADも後日公開する方針を示している。
ハードウェアの「外殻」をCADごと無償公開する動きは、ホビーストとアクセサリーメーカーの双方を巻き込みながらゲーム機エコシステムを広げる手法として、過去のSteam Deck公開の延長線上にある。Valveは「皆さんが何を作るか楽しみだ」と告知を締めくくっており、コミュニティーへの素材提供として位置付けている。