ヤマザキマザックは、金属の積層造形(AM)と切削、研削の3種類の加工を1台でこなすハイブリッド複合加工機「INTEGREX i-450S NEO AM」を開発し、2026年10月26日に販売を始めた。新機種では、工作物を機械に一度取り付けたまま、金属を積み重ね、削り、研いで仕上げるまで続けて加工できる。
金属積層造形は金属を少しずつ積み重ねて形をつくる技術で、金属の3Dプリントとも呼ばれる。複合加工機は旋削とフライス加工など複数の加工を1台でこなす工作機械を指す。同社は2014年に、金属積層造形の機能を加えたハイブリッド複合加工機を発表した。同社によると、新機種はそれ以来培ってきたAMの技術を、高精度な切削加工と組み合わせたものだ。
新機種は積層に「パウダーレーザ式」と呼ぶ方式を使う。ノズルから金属粉末を送りながら、レーザーで局所的に加熱して金属を積み重ねる方式で、同社は熱による母材への影響や変形が小さいと説明する。同社は積層用のヘッドを独立した構造にした。これにより配線や配管による制約と工作物との干渉を減らし、5軸の動きで積層できる広い加工範囲を確保したとしている。新たに載せた「マルチジェットノズル」は、ヘッドを傾けたときにも金属粉末を均一に送り、積層を安定させるという。
同社が想定する用途は、硬質クロムめっきや焼き入れといった表面処理の代わりと、摩耗した部品の補修だ。硬質クロムめっきは部品の表面に硬いクロムの膜をつけて摩耗を防ぐ処理で、焼き入れは鋼を加熱してから急に冷やして硬くする処理を指す。同社は環境規制への対応や熟練技能者の不足、外注に頼ることで延びるリードタイムといった製造現場の課題の解決につながるとしている。
新機種は研削の機能も備える。研削は砥石で表面をわずかに削り、寸法や面を仕上げる加工だ。同社は積層から最終の仕上げまでの工程を1台に集約できるとしている。
同社は2026年10月26日から31日まで東京ビッグサイトで開かれている第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)に新機種を出展している。同社の小間は東展示棟のE1001で、開場時間は10時から17時(最終日は16時まで)だ。