YuzukiHDが2026年9月、Raspberry Pi Picoと同じ2×20ピンの並びを持つ小型基板「YuzukiNeko」の設計データを公開した。載せたのはAllwinnerのRISC-V向けSoC「F101S3」で、マイコンではなくLinuxが動く。回路図、EasyEDAで作った基板データ、ガーバー、3DのSTEP、部品表までをCC0 1.0で公開している。著作権を放棄して誰でも自由に使える状態に置く、という宣言だ。
SoCはT-HeadのXuanTie C907を1個積み、最大1.008GHzで動く。パッケージは7×7mmのQFN68で、基板にはPSRAMが16MiB、NOR Flashが16MiB載る。Flashは中身をRAMへ移さずそのまま読み出して動かすXIPに対応する。ほかにmicroSDのソケットとUSB-C端子、FELボタンを備える。FELはAllwinnerのSoCが持つ復旧用の起動モードを呼び出すもので、Flashの中身が壊れてもUSB経由で書き直せる。基板の大きさは約51×21mmとしている。
小さいわりに映像まわりが厚い。RGB888で1280×720の60fps、シングルリンクのLVDSで1366×768の60fps、4レーンのMIPI DSIで1280×800の60fpsを出せる。外部とつなぐ口はSPIが2系統、UARTが6系統、I2Cにあたるものが3系統、CANが2系統ある。ただしCANについては、基板から出るのは論理レベルの信号だけで、実際のバスにつなぐにはトランシーバーと終端が別に要るとREADMEに書いてある。
基板の刷り文字に誤りがあることも自分で公表している。F101S3にはPD10とPD11が存在しないのに、V1.3の基板ではPD9の次から番号を連番で振ってしまった。そのためPD10以降の表示が、実際のGPIO番号より2つ小さい。V1.4で直したうえで、V1.3を持つ人向けに対応表をREADMEに載せている。
ソフトウェアはmainlineのLinux 7.2をもとにしたものとBuildrootが別のリポジトリに置かれ、Zephyr RTOSにも対応する。基板そのものはまだ販売していない。同じYuzukiHDが出したAvaota A1やYuzuki Chameleonは、後にオンラインで売られるようになった。