東京都がものづくりスタートアップ育成プログラム参加者募集

TiB FAB Makers Challenge 2025のスクリーンショット

東京都は6月2日、シード・プレシード期のものづくりスタートアップを対象とした育成プログラム「TiB FAB Makers Challenge 2025」の参加者募集を開始した。プロダクト開発から事業化まで約6ヶ月間ワンストップで支援する。参加費は無料で、定員は30名程度。募集期間は2025年7月1日午前9時59分まで。事前説明会(6月5日、19日)と個別相談会(6月2日~30日)も実施する。

同プログラムは、東京都が運営するスタートアップ拠点「Tokyo Innovation Base」(TiB)内のものづくり実証フィールド「TiB FAB」で実施される。プログラム期間中は3Dプリンターやレーザーカッター、3Dスキャナー、UVプリンターなどのデジタルファブリケーション機器や電子工作機器、金属加工が可能な工作機械、IoT機器開発に必要な電子計測器、環境試験設備などを無償で利用できる。大型のストレージロッカーも提供され、大判の材料や仕掛り品などの格納も可能だ。

プログラムは「ハードウェアスタートアップに興味はあるが、何から始めればよいか分からない」「起業に挑戦したいが、開発や事業化の進め方に不安がある」「自身のアイデアを形にして、社会や市場に価値を届けたいと考えている」といったチームや個人を対象としている。学生の参加も歓迎している。

昨年度の「TiB FAB Makers Challenge 2024」では、最優秀賞にxerograv.の「海を愛する人の命を守るテクノロジー」が選ばれた。これはウェアラブルデバイスを身につけるだけで、リアルタイムで位置情報を共有し、万が一の漂流事故の救出に役立つシステムだ。

xerograv.が開発したプロダクトの概要図(画像出典元:xerograv.プレスリリース)

プログラムは8月2日のキックオフから翌年1月21日の成果発表会まで、9日間にわたって実施される。内容は「ものづくりスタートアップ導入講座」(8月9日)から始まり、「プロダクトの企画・開発ワークショップ」(8月31日)、「CAD、プロダクトデザイン/筐体設計」(9月13日)、「ハードウェア/プログラミング基礎講座」(9月20日)、「プロトタイピング体験」(9月27日または28日)と続く。

講師陣には、DOT P代表でORPHE CPOの金井隆晴氏、ICOMA代表取締役社長の生駒崇光氏、TiB FAB技術顧問の阿部潔氏、42Tokyo CTOの矢追良太氏らが参加する。10月には進捗共有会、10月末から11月上旬には浜野製作所による製造プロセス学習と工場見学、11月中旬には先輩スタートアップとの交流会も予定されている。

応募資格は、ものづくりビジネスを検討しハードウェアのプロダクトアイデアまたは試作品を持っていること、応募時点で満15歳以上かつ中学校を卒業していること、2026年1月までに試作開発を実現する意思があることなど。チーム参加は2名まで可能で、原則としてオンサイト開催となる。

選考は1次選考(書類審査、7月2日~3日)、2次選考(プレゼン審査、7月14日~18日)で実施され、結果は個別にメールで通知される。

事前説明会は6月5日13時から14時、6月19日12時から13時と18時から19時の計3回開催される。個別相談会は6月2日から30日まで実施される。いずれもオンラインでの参加が可能だ。

募集の詳細とエントリーは、TiB FAB Makers Challengeホームページから確認できる。

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TiB FAB Makers Challenge 2025

FabScene編集部