家庭で「回転しない寿司」を実現、コンビニ寿司が高級寿司屋の雰囲気に

読者投稿フォームに、ユニークな発想の作品情報が寄せられた。「aNo研」氏が制作した「おうちで楽しめる回転しない寿司」は、コンビニで購入した寿司をロボットに載せることで、高級寿司屋のような「回転しない寿司」の雰囲気を家庭で楽しめるデバイスだ。

「どうせ寿司を食べるなら回転しない寿司が食べたい!でも、お金がないとお寿司屋さんに行けない」という発想から生まれたこの装置は、近所のコンビニで買った寿司を載せるだけで、特別な気分で寿司を味わえる仕組みになっている。

システムの核となるのは、M5StickCマイコンで制御されるRoverCという4輪オムニホイール搭載のロボットプラットフォームだ。ここに光学式トラッキングセンサー(Optical Tracking Odometry Sensor)を組み合わせることで、寿司を載せたまま絶対に回転させずに全方向への平行移動を実現している。

高精度センサーで回転を完全制御

技術的な特徴は、光学式トラッキングセンサーによる高精度な位置・角度検出にある。このセンサーは画像センサーとIMU(慣性計測ユニット)を内蔵しており、テーブル表面の模様から移動速度を画像で測定し、ジャイロセンサーで角速度を検出する。これらの情報をリアルタイムで積分処理することで、ロボットの正確な位置と向きを把握できる。

M5StickCマイコンは、このセンサーからの位置・角度情報をI2C通信で読み取り、RoverCのモーターにフィードバック制御を実行する。オムニホイールの特性を活かし、寿司の回転を防ぎながら平行移動する動作を実現している仕組みだ。

実際の使用では、コンビニ寿司をロボットに載せると、ロボットが移動しても寿司の向きは常に一定方向を保持される。まるで高級寿司屋で板前が目の前で握った寿司のような、特別感のある食事体験を演出できる。

ただし制作者は「出された寿司は早めに食べる」ことを推奨している。高精度なセンサーを使用していても、長時間の動作では誤差の積み重なりにより、徐々にズレが生じる可能性があるためだ。また「1秒でも多くの時間が経ってしまうと、お寿司のうまみが逃げてしまう」として、新鮮な状態での喫食を勧めている。

ソースコードはGitHubで公開されており、SparkFun Optical Tracking Odometry Sensor Arduino Libraryを使用している。製作に必要な部品も一般的な電子部品で構成されており、同様のシステムを再現することも可能だ。

※この記事は読者投稿フォームからの応募に基づいて作成しました。
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関連情報

おうちで楽しめる回転しない寿司を作ってみた(ProtoPedia)
kaiten_shinai_sushi(GitHub)

FabScene編集部