1台でアナログ・デジタル両体験、YASHICA「FX-D」

画像出典元:プレスキット

1949年創業のカメラブランドYASHICAが、フィルムカメラの操作感をデジタルで再現する新カメラ「FX-D」シリーズをKickstarterで発表した。

FX-Dシリーズは「Film Experience in Digital」をコンセプトに、デジタルカメラでありながらフィルムカメラの撮影体験を忠実に再現する。最大の特徴は、撮影後に物理的なフィルムアドバンスレバーを操作しなければ次のシャッターが切れない仕組みを採用していることだ。

このレバー操作により、デジタル撮影でありながらフィルムカメラ特有の「一枚一枚を大切に撮影する」体験を提供する。6種類のフィルムシミュレーション機能も搭載し、アナログとデジタルの「いいとこ取り」を実現している。

目次

3モデル展開で幅広いニーズに対応

FX-Dシリーズは、用途と予算に応じて3つのモデルを展開している。

「FX-D 100」は13MPセンサーを搭載したエントリーモデルで、Super Early Bird価格は約3万6000円。コンパクトで直感的な操作が特徴で、日常的な撮影を想定している。シルバー&ブラックの組み合わせで展開される。

「FX-D 300」は50MPの高解像度センサーを搭載し、Super Early Bird価格は約5万円。プロフェッショナル向けに詳細な画質と広いダイナミックレンジを提供する。光学式手ブレ補正(OIS)とリアルタイムオートフォーカス(RTAF)を搭載している。

最上位モデル「FX-D S300」は50MPセンサーに加えて電子ビューファインダー(EVF)を搭載し、Launch Special価格は約6万6000円。すべてのモデルで180度回転する液晶画面、Wi-Fi接続による専用アプリとの連携、カスタムフィルムレシピの保存機能を備えている。

アナログ操作でデジタル撮影を変える

フィルムモードで撮影したサンプル画像(画像出典元:プレスキット)
FX-D S300のデジタル撮影モードにとるサンプル画像(画像出典元:プレスキット)

FX-Dの独自性は、単なるフィルムシミュレーションではなく、フィルムカメラの物理的な操作感を再現している点にある。フィルムアドバンスレバーは単なる装飾ではなく、撮影ワークフローの重要な要素として機能する。

カメラ左側にあるフィルムシミュレーションダイヤルを回すことで、6種類のプリセットフィルムシミュレーションを瞬時に切り替えできる。さらに、粒状感、ホワイトバランス、彩度、コントラスト、シャープネス、色相を細かく調整したカスタムレシピの保存も可能だ。

一方で、デジタルモードではフィルムアドバンスレバーの操作なしに連続撮影が可能で、マニュアル(M)やプログラム(P)などの撮影モードを選択できる。1台で2つの撮影スタイルを使い分けられる設計となっている。

YASHICAブランドは1949年の創業以来、1970年代に500万台を売り上げた「YASHICA Electro 35」などで知られている。現在は別会社がブランドを承継しており、2017年の「YASHICA Y35」でdigiFilmシステムを導入するなど、アナログとデジタルの融合に取り組んでいる。

配送は2025年8月(FX-D 100、300)、10月(FX-D S300)を予定している。

関連情報

YASHICA FX-D(Kickstarter)

FabScene編集部

目次