ラズパイ5をミニタワーPC化、3Dプリントケースでマイクラ用サーバー構築

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3DプリントプラットフォームMakerWorldで、Raspberry Pi 5専用のタワー型ケース設計が公開された。DavidSoy氏が設計したこのケースは、Minecraftサーバー用途に特化して開発され、NVMe M.2 to PCIeアダプター、温度連動アクティブヒートシンク、4基の冷却ファン、128×64ピクセルのSH1106 OLEDディスプレイを統合している。

同ケースは従来のRaspberry Pi用小型ケースとは大きく異なり、デスクトップPCのミニタワー型筐体を模したデザインを採用している。マイクロコントローラーの温度に基づいて動的に調整されるアクティブヒートシンクと、アクティブヒートシンク上にエアフローを生成する4基の連続稼働ファンにより、高負荷時でも安定した動作温度を維持する。

OLEDディスプレイには各種情報の表示に加え、GIFアニメーションの再生機能も搭載されており、システム状態の視覚的な確認が可能だ。Minecraftサーバーのように長時間連続稼働が必要なアプリケーションでの使用を想定した設計となっている。

タワー型ケースの市場拡大

Raspberry Pi 5向けのタワー型ケースは近年注目を集めており、複数のメーカーから製品が発売されている。市販品では、SunFounderの「Pironman 5」(79.99ドル)やElectroCookieのアルミニウム製ミニタワーケース、GeeekPiのタワーキットなどが人気を博している。

これらの市販タワーケースの多くはRGBライティング、アルミニウム筐体、NVMe SSD対応、強力な冷却システムを特徴としており、単なる保護ケースを超えて見た目にもこだわったゲーミングPC風の外観を提供している。特にPironman 5は完全サイズのHDMIポート変換機能やOLEDディスプレイ、電源ボタンによる安全なシャットダウン機能を備えている。

Jeff Geerling氏のレビューによると、高性能な冷却システムを持つタワーケースでは、Raspberry Pi 5を3GHzでオーバークロックしても良好な温度を維持できるという。一方で、価格は60ドル程度のRaspberry Pi本体に対して80ドル近くするケースもあり、コストパフォーマンスを重視するユーザーには課題となっている。

3Dプリント版の利点と課題

DavidSoy氏の3Dプリント設計では、材料となるPLA/PETG樹脂代のみで製造でき、設計ファイルの改変によるカスタマイズが可能だ。また、この設計はMinecraftサーバー用途に最適化された機能配置となっており、オープンソース設計のため継続的な改良も期待できる。

一方で、3Dプリントならではの課題もある。樹脂製のため市販アルミニウムケースに比べて放熱性能で劣る可能性があり、組み立てには電子部品の調達と配線作業が必要となる。また、プリント精度や使用する樹脂によって仕上がりに差が生じる場合がある。

現在、Raspberry Pi 5向けにはSunFounderの「Pironman 5」(79.99ドル)、ElectroCookieのアルミニウム製ミニタワーケース、GeeekPiのタワーキットなど複数のタワー型ケースが販売されている。これらの製品の多くはRGBライティング、NVMe SSD対応、冷却システムを特徴としている。

DavidSoy氏による3Dプリント設計ファイルの公開により、ユーザーは材料費のみでタワー型ケースを製作できるようになった。この設計はMinecraftサーバー用途に特化した機能配置となっている。

関連情報

Raspberry Pi 5 Case/Tower(MakerWorld)

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FabScene編集長。複数のエンタープライズ業界でデジタルマーケティングに携わる。2013年にwebメディア「fabcross」の設立に参画。サイト運営と並行して国内外のハードウェア・スタートアップやメイカースペース事業者、サプライチェーン関係者との取材を重ねる。

2017年に独立。編集者・ライターとして複数のオンラインメディアに寄稿するほか、スタートアップ支援事業者の運営に携わる。スタートアップや製造業を中心とした取材実績多数。