米Hubble、世界規模のBluetooth追跡ネットワークを企業向けに提供開始 既存8800万台の端末を活用

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米国のスタートアップHubbleは、企業向けのBluetooth Low Energy(BLE)発見ネットワークの提供開始を発表した。同ネットワークは、AppleのFind MyやGoogleのFind My Deviceのような消費者向けサービスと同様の機能を、企業が完全にコントロールできる形で提供する。

Hubbleによると、同ネットワークは既に家庭、都市、高速道路、倉庫などに配置された8800万台以上のパッシブスキャナー、スマートフォン、ゲートウェイ、インフラで構成され、グローバルカバレッジを実現している。

従来の消費者向けネットワークとは異なり、Hubbleのネットワークは企業利用に特化して設計されている。ハードウェアやインストール作業が不要で、BLEアドバタイズメント形式を更新するだけで数分以内にネットワークの利用を開始できる。

企業はデバイス、データ、API、分析機能を完全に所有でき、ローテーションID、暗号化ペイロード、検証済みエンドポイントなどのセキュリティ機能が最初から組み込まれている。また、オープンなSDKとAPIにより、プロプライエタリなロックインを避けた開発者ファーストの統合が可能だ。

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多様な産業用途に対応

Hubbleのネットワークは、パレット、工具、コンテナ、機器などのアセット追跡、車両やトレーラーの中身をリアルタイムで把握するフリート管理、BLEセンサーと位置テレメトリを組み合わせたコールドチェーン監視、危険エリアでのバッジやウェアラブルの追跡による職場安全管理、サイト間での機器共有とその利用データ・位置履歴の把握などに活用できる。

2024年3月にHubbleは、Bluetoothデバイスを直接衛星に接続することに成功している。同社は地球上のあらゆる場所、オフグリッド環境も含めて数十億台のBluetoothデバイスを接続するというビジョンを掲げており、今回のネットワーク発表はその実現に向けた大きな一歩としている。

現在、開発者や企業向けの早期アクセスプログラムを実施しており、同社のWebサイトからウェイトリストに登録することで、ネットワークへのアクセスが可能になる。

Hubbleは2021年に、Life360の共同創業者Alex Haro氏、Iotera創業者のBen Wild氏、航空宇宙エンジニアのJohn Kim氏らによって設立された。Wild氏は以前、クラウドソース型ワイヤレスネットワークを手がけるIoteraを創業し、同社をRingに売却した経歴を持つ。その後AmazonでAmazon Sidewalkワイヤレスネットワークやリング Always Home Camの開発を担当していた。

同社は2022年にアクセラレーションプログラム「Y Combinator」に参加し、2023年3月にシリーズAで2000万ドルを調達している。Hubbleは2024年3月、Bluetoothデバイスを直接衛星に接続することに成功したと発表している。

同社は現在、ベータ版コンステレーションとして4基の衛星を運用しており、2025年第4四半期または2026年初頭には追加で32基の衛星を一度に打ち上げる計画を進めている。最終的には300基の衛星からなるコンステレーションを構築し、10億台のデバイス接続を目標としている。

関連情報

Hubble公式発表

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FabScene編集部

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