
子どもがゲームで騒ぐとネット速度が落ちる仕組みでFabSceneでも大きな反響を呼んだRaspberry Pi監視システムについて、作者のozh氏がプロジェクトのコードをGitHub上で公開した。元の投稿はreddit上で3000以上の高評価を獲得し、2025年の人気投稿トップ10入りを果たしていた。

ozh氏は2025年8月下旬、reddit上でフォローアップ投稿を行い、多数のユーザーからの要望に応えて全てのソースコードを公開したと発表した。「このプロジェクトは私の2番目のPythonプロジェクト」としながらも、WTF Public Licenseの下で「好きなようにやってください」とコメントしている。
音量測定とディスプレイ機能は完全動作
システムの基本構成は変わらず、PCB Artists製サウンドセンサー(約3100円)、Waveshare製1.28インチ円形LCDディスプレイ(約2100円)、Raspberry Pi(ozh氏はPi 3 A+を使用)で構成される。SNMP対応のネットワークスイッチがあれば帯域制限機能も利用できる。
公開されたコードは3つの主要部分に分かれている。utils/sensor.pyでデシベルレベルの測定を行い、utils/lcd.pyでLCDディスプレイへの表示を担当、utils/actions.pyでは音量に応じたアクションを定義する。音量測定とディスプレイ機能は初期状態で完全に動作し、.envファイルで各種設定を変更できる。
ただし帯域制限機能については、ネットワークスイッチによって制御方法が異なるため、users/actions.py内にプレースホルダーが用意されており、各自の環境に合わせたカスタマイズが必要となる。ozh氏は「魔法のような万能コマンドは存在しない」と説明し、LED制御や警告音再生など、用途に応じた応用を提案している。
システムには dotenv、pillow、spidev、numpy、smbus、RPi.GPIOの各Pythonライブラリと、i2c-toolsのインストールが必要だ。
コミュニティからは追加機能のアイデアが続々
reddit上では、Raspberry Pi関連で著名なプログラマーのJeff Geerling氏が「初回投稿を見逃していたが、関連プロジェクトのアイデアが浮かんだ」とコメントを寄せた。
他のユーザーからは「WiFi deauth攻撃を子どものMACアドレスに向ける方法もある」「30分ピアノを弾いたら30分インターネットが使える機能はどうか」「音量が一定レベルを超えるたびにIRセンサーでテレビを消す機能を追加してはどうか」など、様々な改良案が提案されている。
一方で「投げ枕で対策される」という現実的な指摘や、「子どもはYouTubeでピアノ動画を見つけるだけだろう」といったユーモラスなコメントも見られた。
ozh氏は1ヶ月前まではRaspberry Piに触れたことも、Pythonでコードを書いたこともなかったが、子どもとの技術プロジェクトを通じて親子のコミュニケーションツールとしても機能していることを改めて強調している。