
大手スポーツブランドなど企業による3Dプリントシューズの開発が進む中、個人が家庭用3Dプリンターと入手可能な素材で実用的なシューズを制作した事例がMakerWorldで公開された。MakerWorldユーザーのStepan DrunksがAlessioと共同で制作したTPU素材のシューズは、折り紙や海の波にインスパイアされた層状デザインが特徴だ。表面の波状パターンはアッパー部分に柔軟性を提供し、ソール部分のジグザグパターンでグリップ力を高める機能を持つ。
デザインはRhinoとGrasshopperを使用したパラメトリックデザインの手法で制作された。つま先部分は通常より広めに設計され、快適性を向上させている。オプションとして、3Dプリントコミュニティの定番テストモデルであるBenchy(小型ボート)を模した装飾パーツを表面に配置することもできる。

MakerWorldのカスタマイズボタンを使用することで、欧州サイズ34から55まで、足の長さと幅に応じた自動スケーリングが可能だ。制作者は詳細なサイズ表も提供しており、手動でX、Y、Z軸それぞれのスケーリング比率を設定することもできる。
プリント設定は2種類のプロファイルが用意されている。X-P-Aプリンター向けにはTPUシューズ本体とTPUサポート材を使用する設定、H2D向けにはTPUシューズとPLAサポート材を組み合わせる設定が公開されている。
ユーザーからは「快適で滑りにくく、長時間の散歩にも耐えられた」「子供用にサイズダウンして制作したところ、完璧にフィットした」といった実用性の高さを評価するコメントが寄せられている。TPU 95Aや85Aといった異なる硬度のフィラメントでの制作報告も多く、ユーザーの好みに応じて柔軟性を調整できる。
制作者のStepan Drunksは、ユーザーからのフィードバックに対して積極的に応答し、プリント時の問題点や改善点について継続的に議論を行っている。