モジュラー式外骨格「Ascentiz」がKickstarterに登場、膝と腰を個別にアシスト可能

FabScene(ファブシーン)

ウェアラブルロボティクス企業のAscentizが、モジュラー式の外骨格「Ascentiz」をKickstarterで発表した。膝用と腰用のモジュールを組み合わせて使用でき、上り坂で最大35%の負荷軽減を実現する。

「Ascentiz」は、腰(ヒップ)モジュールと膝(ニー)モジュールの2種類で構成されるモジュラー式外骨格。各モジュールは単体でも、組み合わせても使用可能で、ユーザーのニーズに応じて選択できる。

ヒップモジュールは腰部に直接駆動トルクを供給し、脚の前方への動きと後方への押し出しをアシストする。ニーモジュールはDyneemaケーブルドライブを使用し、膝への正確なトルク伝達により、屈曲時のアシストや階段昇降、スクワット時の負荷軽減、関節のストレスと筋肉の負担軽減を実現する。

主要スペックと動作モード

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画像出典元:プレスキット

製品の主な仕様として、52Nm/kgのパワー密度、36Nmのピークトルク、900Wのバーストパワーを実現。動作音は35dB以下と静音性も確保している。各モジュールの重量は約2kg(4.4lbs)で、本体は320×250×80mmとA4サイズ相当のコンパクト設計。

バッテリーは777Whの容量を持ち、デュアルバッテリー使用時で最大約50km(31マイル)の航続距離を実現。100W充電で65分でフル充電が可能。本体はIP54の防水防塵規格に対応し、動作温度は-20℃〜60℃と幅広い環境で使用できる。

動作モードは3種類用意されている。Easeモードではスマートアシストによる歩行や上り坂の負荷軽減、ACCモードでは完全なトラクション制御による自動歩行支援、Trainモードでは最大約20kg(44lbs)の動的抵抗を加えることで日常動作をトレーニングに変換できる。トレーニングモード使用時は通常の1.7倍のカロリー消費と30%の心拍数上昇が見込める。

AIによる動作認識システムを搭載し、480MHzのMCUプロセッサーがユーザーの動きをリアルタイムで解析。20マイクロ秒の応答時間で適切なアシストを提供する。専用アプリによる制御も可能で、アシストレベルの調整やトレーニング設定をカスタマイズできる。

価格はSuper Early Birdプランで、ヒップモジュール単体が599ドル(約8万7000円)、ニーモジュール単体が699ドル(約10万2000円)、両モジュールセットが1098ドル(約16万円)。出荷は2025年12月を予定している。

Ascentizは2023年に設立され、親会社のRoboCT Groupは2017年から外骨格ロボティクス分野で活動している。同社は500以上の特許技術を保有し、FDA登録やCE認証を取得。世界中の1500以上のリハビリセンターと提携し、これまでに60万人以上の患者の移動を支援してきた実績を持つ。

関連情報

Ascentiz: The World’s First Modular Exoskeleton(Kickstarter)

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