ラズパイカメラで写真を線画に自動変換・描画、どこかアナログでレトロなタッチ

FabScene(ファブシーン)

海外の個人製作者Tekavou氏が、Raspberry Piカメラモジュールで撮影した写真を線画に自動変換し、自作の電子版エッチ・ア・スケッチで描画するシステムを開発し、海外掲示板Redditに投稿した。エッチ・ア・スケッチは、2つのノブを回して線を描く玩具で、Tekavou氏は電子ペーパーディスプレイを使った電子版を自作している。

このシステムは、Raspberry Piカメラ、画像処理を行うサーバー(Mac Mini)、描画を実行する自作エッチ・ア・スケッチの3つで構成される。撮影した写真はサーバーに送信され、エッチ・ア・スケッチ風の線画に変換された後、自作デバイスに転送されて自動描画される。

画像処理には、SVG形式を使用し、1本の連続した線で画像を表現する手法を採用している。Tekavou氏は、エッジ検出やクロスハッチング(格子状の線で陰影を表現する技法)など、複数の手法を試行錯誤した。最終的には、経路最適化アルゴリズムの一種であるChinese Postmanアルゴリズムを活用し、効率的な線の描画を実現した。このアルゴリズムは、すべての経路を無駄なく通過する最短ルートを見つけるもので、郵便配達や除雪車の経路設計にも使われている。

当初、Raspberry Pi上で画像処理を行った場合、1枚の画像の変換に10分から15分を要した。しかし、Mac Miniをサーバーとして使用することで、処理時間を10秒から15秒に短縮できた。外出時にはカメラ内のSDカードに写真を保存し、帰宅後にサーバーで処理する仕組みも備えている。

Tekavou氏は以前、電子ペーパーディスプレイを使った電子版エッチ・ア・スケッチを製作しており、今回のプロジェクトはその発展形となる。以前のバージョンでは、undoボタンの追加や、SnakeやPongといったゲームのプレイが可能だった。

カメラには、写真撮影用のボタンに加えて、将来のアップグレード用に予約されたボタンが2つ搭載されている。Tekavou氏は動画の中で、視聴者に対して追加ボタンの用途についてのアイデアを募集している。

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