ビット・トレード・ワン、リアルタイムCAN通信モニター「FLCM1」を発売

FabScene(ファブシーン)

ビット・トレード・ワンは2025年10月10日、リアルタイムCAN通信モニター「FLCM1」を発売する。ロボットや産業用機器、車載用ネットワークで使用されるCAN(Controller Area Network)通信をモニタリングするための簡易モニターで、Type-C電源で動作するため、出先や狭所などでも使用できる。

FLCM1は、Microchip製のCANコントローラー内蔵トランシーバーMCP25625を搭載し、CANバスに接続して2.8インチのタッチパネル付きLCDで直接モニタリングできる。CAN 2.0Bに対応し、最大1Mbpsの通信速度に対応する(CAN FDには非対応)。

ハードウェアフィルターとソフトウェアフィルターにより、CAN IDやデータフィールドをフィルタリングできる。ハードウェアフィルターはMCP25625内蔵で高速にCANメッセージIDをフィルタリングし、ソフトウェアフィルターは内蔵マイコンで単一のCAN IDをフィルタリングしたり、データフレームを切り出したりできる。

コンペアアウト機能により、データフレームの値を設定した閾値と比較した結果を出力できる。比較結果は画面表示、LED表示、AUXコネクタからトランジスタ出力が可能で、異常監視機能としてリレーやソレノイドを駆動できる。

接続は、D-Sub 9ピンオスコネクタまたは2.54mmピンソケット経由でCANバスに接続する。DSUBピン配置切り替えヘッダにより、CAN標準ピン配置(CiA DS102推奨)またはOBD-II用ピン配置に切り替えられる。ターミネーターON/OFF切り替えヘッダも搭載する。

フィルタリング後のデータは、LCD表示のほか、USB-シリアル経由のPC出力、AUXコネクタのSPI送信出力が可能。フィルタリングなどの設定を最大8通り記憶でき、モニター内容を現場ですぐ変更できる。エラー発生時はLEDとエラーコードで通知する。

ファームウェアとハードウェアのソースデータを公開しており、Arduinoのソースコードとボード定義、回路図、ケースの3Dデータを利用できる。ユーザー自身でカスタマイズや独自のコントローラー、インターフェースとしての開発が可能だ。

本体サイズは幅115mm×奥行100mm×高さ22mm(突起物除く)、重量は約150g。電源はCAN VbusからDC7〜18V、またはUSB Type-CからDC5Vで供給する。価格はオープンで、推定市場価格は2万円前後(税込)となる見込み。

関連情報

ADFLCM1 リアルタイムCAN通信モニター「FLCM1」

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