
Bambu Labが、3Dプリンター「P2S」を発表した。P1シリーズを全面的に再設計したモデルで、最新のH2シリーズで導入された技術を統合している。価格は単体で519ユーロ(税込、約8万3000円)、マルチカラー印刷システムAMS 2 Proとのコンボで749ユーロ(税込、約12万円)だ。日本での販売は代理店経由となるため、実際の価格は変動する可能性がある。
P2Sは、P1シリーズのコンパクト設計を維持しながら、DynaSenseエクストルーダーやアクティブエアフローシステムなど、H2DとH2Sモデルで採用された技術を搭載している。5インチタッチスクリーンに第2世代UI、AI搭載のエラー検出、1080P高フレームレートライブビュー、ワンクリック機構のノズル交換システムを備える。
Bambu Labは2022年にX1で3Dプリンター市場に参入し、2023年にはX1の廉価版としてP1Pを投入した。数カ月後には密閉型チャンバーを備えたP1Sを追加した。同社のブログによれば、世界中で数十台から数百台のP1シリーズを並べた大規模な生産施設が登場したという。P2Sシリーズはこうした需要から市場に投入された新製品という位置づけだ。
P2Sの主な新機能は以下の通りだ。第2世代UIを搭載した5インチタッチスクリーンは、スムーズな操作とステップバイステップのガイダンスを提供する。PMSMサーボエクストルーダーは最大8.5kgの押出力を発揮し、前モデルより70%向上した。20kHzでフィラメントの抵抗と位置をサンプリングし、削れや詰まりをリアルタイムで検出する。

自動フロー動力学キャリブレーション機能は、渦電流センサーでフロー動力学を較正し、インテリジェントアルゴリズムが流量を調整して正確な押出を確保する。
アダプティブエアフローシステムは、チャンバー外部から冷気を取り込み冷却効率を向上させる。ドアを閉じたまま低温フィラメントを印刷でき、オーバーハング品質を損なわない。熱保持モードでは、フラップ制御システムがチャンバー内の熱を保持しながらカーボンフィルターで空気をろ過し、反りやすいフィラメントを安心して使用できる。
AI搭載エラー検出機能は、コンピュータービジョンでスパゲッティ状の失敗、ノズルの塊、空中印刷などを検出する。ビルドプレートとノズルタイプをスライサーの設定と照合し、印刷が正確に開始されることを確認する。
1080P高フレームレートライブビューは、強化されたLED照明により鮮明度が向上した。遠隔地からプリンターを監視でき、ソーシャルメディア共有用のタイムラプスを撮影できる。
クイックスワップホットエンドは、ワンクリップ機構でノズルとヒートシンクを取り外せる。配線接続は不要だ。P2S Comboには、マルチカラーシステムAMS 2 Proが付属する。アクティブベンチレーションシステムにより、密閉加熱より30%速くフィラメントを乾燥させる。

その他の仕様は、ビルドボリューム256×256×256mm、最大ノズル温度300°C、デフォルトノズル径0.4mm(0.2mm、0.6mm、0.8mmもサポート)、内蔵フィラメントカッター、最大ヒートベッド温度110°Cだ。センサーは、ドアセンサー、フィラメント切れ検出、フィラメント絡まり検出、フィラメントオドメトリー、停電復旧機能を備える。
P2Sの投入後もP1Sは製品ラインナップに残り、サポートが継続される。