
香港のXLaserlabが、UVレーザー彫刻機「E3」のクラウドファンディングを2025年10月にKickstarterで開始した。10W出力のUVレーザーを搭載し、ガラス内部への3D彫刻や200色以上のカラー加工が可能な卓上型レーザー彫刻機として開発された。
E3の特徴は、UV(紫外線)レーザーによる「Cold-Light」加工にある。熱を加えずに素材を加工するため、チョコレートやシルク、薄いガラスなど熱に弱い素材でも焦げ跡や変形を残さずに彫刻できる。対応素材は2000種類以上で、金属、木材、アクリル、プラスチック、ガラス、シリコンチップ、PCB基板など幅広い。
レーザースポットサイズは0.005mmで、従来の一般的なファイバーレーザーの0.10mm、CO2レーザーの1.0mmと比較して精度が200倍向上したとしている。10W版の最大作業速度は1万mm/秒で、7W版は5000mm/秒となっている。
MOPA(Master Oscillator Power Amplifier:マスター発振器パワーアンプ)技術を採用し、レーザーのパルス制御により100色以上の精密なカラー階調を実現している。ソフトウェアで自動的に色を検出・分離し、迅速かつ正確なパラメータ設定が可能だ。
ガラス内部への3D彫刻と円筒形加工

E3の注目すべき機能の一つが、ガラス内部への3D彫刻だ。ペンダントやアワード、記念品などに、傷や亀裂を残さずに透明で立体的なパターンを作成できる。AIを活用した3Dモデリング機能により、あらゆる形状やサイズのオブジェクトを簡単かつ正確に彫刻できるという。
4-in-1回転アタッチメントを使用することで、円筒形や球面のオブジェクトにも彫刻が可能だ。タンブラーからクリスマスオーナメント、リングまで、曲面への個別化された彫刻ができる。
デュアルカメラシステムを搭載し、彫刻エリアを設定し、1080P HD録画でプロセスを記録できる。デュアルフォーカスシステムは、ToF(Time of Flight:飛行時間型)センサーで素材の高さを正確に測定し、2点平面フォーカシングにより自動的にリアルタイムで焦点を調整する。
作業エリアは単体で150×150mm、コンベアベルトを使用すると150×800mmに拡大可能で、大量生産時の効率向上を図れる。
本体サイズは322×232×580mm、重量は15kgまたは14kg(10W版)。専用の空気清浄機(別売)は5段階濾過システムで粒子や臭気を除去し、清浄率99.97%を実現している。
価格は7W版が3899ドル(約56万円)から、10W版が5199ドル(約75万円)からとなっている。製品の配送は2026年4月を予定している。

