
スマートフォンのカメラは便利だが、20枚撮って1枚良いものがあればいい、という撮影スタイルになりがちだ。連射よりも1枚1枚の撮影に意図を込める、専用カメラの価値が再評価されている。
アメリカのエンジニアJacob David C Cunninghamは、Raspberry Piベースの自作カメラ「JDC34」を製作し、設計ファイルとソフトウェアをGitHubで公開した。Cunninghamにとって4台目のカスタムカメラボディとなる。
JDC34はRaspberry Pi 4とRaspberry Pi HQ Camera(高画質カメラモジュール)を中心に構築されている。背面にはDSI接続のタッチスクリーンディスプレイを搭載し、ユーザーインターフェースの表示と画像プレビューに使用する。UIはOpenboxを使用して描画される。上部には0.91インチのOLEDディスプレイを配置し、ステータス情報を表示する。物理ボタンは7個、IMU(慣性計測ユニット)も搭載しており、将来的な機能拡張に対応する。電源は充電式バッテリーを使用する。
ソフトウェアはCunninghamが開発した「Pelicam」を使用する。JSONベースのメニューインターフェースとstate-renderingによる画面描画が特徴で、モジュール式の設計となっている。望遠撮影向けにシャッター遅延機能も実装した。
筐体は3Dプリンターで製作した。設計にはSketchUpを使用したが、SketchUpは直線的な形状に適しており、曲線や丸みのある形状の設計は難しい。結果として、当初イメージしていた小型のヴィンテージシネレンズを強調したデザインではなく、「bulbous(球根状)」と形容される丸みを帯びた形状になった。部品の寸法に合わせる必要もあり、設計上の妥協が必要だったという。

印刷時間は前半部分が13.5時間、後半部分が11時間、ディスプレイホルダーが2時間で、合計26.5時間を要した。Cunninghamは3日間で組み立てることを目標としていた。組み立て後の課題として、ネジを固定するプラスチック部分の厚みが不足しているなど、強度面での改善が必要だと述べている。
設計ファイルとソフトウェアはGitHubで公開されており、誰でも参照できる。Cunninghamは過去にも複数のRaspberry Piベースのカメラを製作しており、モジュール式のカメラボディ「Modular Pi Cam」やPi Zero用のハンドヘルドカメラなど、継続的にカスタムカメラの開発を行っている。

