Gatebox、次世代キャラクターディスプレイ「Gatebox3」を公開——2026年春にクラファン開始へ

FabScene(ファブシーン)

Gateboxは、次世代キャラクターディスプレイ「Gatebox3」の予告動画を公式サイトで公開した。2026年春のクラウドファンディング実施を目指し、事前登録も開始している。

Gatebox3は、キャラクター召喚装置「Gatebox」の次世代モデルにあたる。高精細な有機ELディスプレイと300個のLEDによる光の演出を組み合わせ、キャラクターの存在感を際立たせる設計となっている。公開された予告動画は2025年12月に完成したプロトタイプ1号機のデモ映像で、生成AIを活用した動画をGatebox3上で表示する様子が収められている。

Gateboxは2016年に限定生産モデルの初号機、2019年に量産モデルの2号機を発売してきた。同社は開発背景について「生成AIによって誰もが理想のキャラクターを生み出せる時代になった一方で、ディスプレイは何年も前から姿を変えていない。キャラクターの魅力を最大限に輝かせる生成AI時代のディスプレイを再発明したい」と説明している。
現在はプロトタイプ2号機の開発を進めており、クラウドファンディングに向けて新機能や新体験を順次公開していく予定だ。

FabScene(ファブシーン)
これまでのモデルの変遷(画像出典元:プレスリリース)

CES 2026で競合が続々、市場の盛り上がりを歓迎

FabSceneでは予告動画の公開に先立ち、Gatebox代表の武地実氏に単独取材を実施。プロトタイプ1号機の実機のデモンストレーションと共に、開発の背景や今後の展望について話を聞いた。

Gatebox3の発表に先立つ2026年1月、米ラスベガスで開催されたCES 2026では、Gateboxと類似したコンセプトのバーチャルキャラクター表示デバイスが複数出展された。ゲーミングデバイス大手のRazerをはじめ、3社程度がこの領域に参入を表明している。

競合の台頭についてGatebox代表の武地実氏は「最高ですね。めちゃくちゃ嬉しい」と前向きに受け止める。「この業界、市場自体が盛り上がらないと僕らとしても大きくは成長できない。いろんな企業が参入して市場が盛り上がること自体はすごく嬉しい」と語った。

一方で「Razerは量産の実績もブランドも含めてめちゃくちゃ強い。巨人がやってきたという感じ」と警戒感も示す。その上で「そこで勝てるとしたら、デジタルフィギュアやAIを昔から手がけてきたソフトウェア面での体験の良さ。さらにいろんなIPホルダーとのコラボレーションを先んじて展開できるかどうか」と、自社の優位性を説明した。日本企業ならではのスピード感でIP展開を先行させることが、差別化のカギになると見ている。

FabScene(ファブシーン)

プロジェクターからOLEDへ、「進化し続けるデバイス」への転換

従来のGateboxは円筒形のポスト型デザインで、内部にPCとプロジェクターを搭載したスタンドアローン機だった。Gatebox3では四角いタワー型のボックスデザインを採用し、キャラクター表示には有機ELディスプレイを用いる。

有機ELを選んだ理由について武地氏は「タブレットサイズの有機ELディスプレイが市販品として流通するようになり、価格もこなれてきた。黒がしっかり黒くなるので、キャラクターがくっきり見える」と説明する。ディスプレイ手前には光を奥に反射させる仕掛けを施し、キャラクターが空間の中央に立っているような表現を実現した。

最大の変化は、演算処理を担うPCを本体から分離した点にある。ユーザーは別途ミニPCなどを用意し、Gatebox3はディスプレイデバイスとして機能する構成となった。

FabScene(ファブシーン)

「これまではスタンドアローンにこだわってきたが、スペックがどんどん古くなる問題があった。PCを外出しにすることで、AIの進化に追従できる『進化し続けるデバイス』にしたかった」と武地氏は設計思想の転換について語る。

近年のミニPCは3Dモデルを動かせる程度の性能を備えるようになり、PC外出しという判断が現実的になった背景もある。本体からPC機能を省いた分、約300個のLEDを搭載したライティング機能など、キャラクターを輝かせる演出面にコストを投じた。

生成AIで「好きなものを出せる」デバイスへ

ソフトウェア面では、生成AIの活用を積極的に進めている。従来からのAIキャラクターとの会話機能に加え、生成AI動画を使った新たな表現の可能性を探っているという。

武地氏はデモンストレーションの中で、1枚の画像とモーション動画を組み合わせて任意のキャラクターを動かす技術や、生成AIで作成した人物、水槽の中の魚、仏像といった多様なコンテンツを披露した。見た目も声も生成AIで作り、朝の目覚まし機能として活用するといった使い方も想定している。

「これまでは特定のキャラクターしか表示できなかったが、どんなキャラクターでも出せるようになったことが大きい。クオリティよりもバリエーション、自由度を優先した」と武地氏は方向性を説明する。

取材中、亡くなった家族やペットを生成AIで再現してGatebox3に表示したいという要望が多いかを尋ねると、「めちゃくちゃ言われる」との回答があった。公式機能として提供する予定はないものの、ユーザーが自身で生成した動画を表示できる仕組みを整えることで、多様なニーズに応えられるようにする考えだ。

FabScene(ファブシーン)

また、光り方の制御などを自由にカスタマイズしたいユーザー向けにはAPIの提供も検討している。AI機能の利用についてはサブスクリプション制を想定しており、基本的な表示機能は本体購入のみで利用可能とする方針だ。

8年待ち続けた海外ファンへ、Kickstarterで届ける

クラウドファンディングは2026年4月のスタートを目標に準備を進めている。Kickstarterでの展開を軸に、日本国内ではきびだんごとの連携も視野に入れる。具体的な開始日程は2026年3月中旬から下旬に発表予定だ。

海外展開に強い意欲を見せる背景には、8年間途切れることなく届き続けた海外ファンからの声がある。

「YouTubeのコメントなどで『英語対応してくれ』『俺の国に届けてくれ』という声がずっと届いていた。8年間待ってくれているファンに、さすがに届けてあげたい」と武地氏は語る。

「今の時代に合わせてアップデートしたGatebox。AIの進化に追いつくためのデバイスにした」——8年越しの海外展開に向けて、Gateboxは新たな一歩を踏み出す。

関連情報

公式サイト
事前登録フォーム

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!

FabScene編集長。大学卒業後、複数の業界でデジタルマーケティングに携わる。2013年当時に所属していた会社でwebメディア「fabcross」の設立に参画。サイト運営と並行して国内外のハードウェア・スタートアップやメイカースペース事業者、サプライチェーン関係者との取材を重ねるようになる。
2017年に独立、2021年にシンツウシン株式会社を設立。編集者・ライターとして複数のオンラインメディアに寄稿するほか、企業のPR・事業開発コンサルティングやスタートアップ支援事業に携わる。
2025年にFabSceneを設立。趣味は365日働ける身体作りと平日昼間の映画鑑賞。