ジョブズとウォズニャックが使用したApple-1プロトタイプ、約4億3450万円で落札し過去最高額更新

FabScene(ファブシーン)

Boston’s Rare and Remarkable Auctionsが主催した「The Steve Jobs & the Computer Revolution: The Apple 50th Anniversary Auction」で2026年1月29日、Apple-1の初期プロトタイプボード「Prototype Board #0」が275万ドル(約4億3450万円)で落札された。見積もり額50万ドル(約7900万円)の5.5倍となる価格で、Apple-1の過去の落札記録94万5000ドル(約1億4931万円)を大幅に更新した。

「The ‘Celebration’ Board」とも呼ばれるこのプロトタイプは、既知の中で最も初期のグラスファイバー製Apple-1を代表するものだ。Steve JobsとSteve Wozniakが、商業生産に入る前にApple-1の設計を検証するために使用したとされる。

Appleは1976年3月、Howard Cantinに最初のApple-1 PCBレイアウトを委託した。この作業から生まれたのが、2022年8月にRR Auctionで販売された安価なtan phenolic prototypeボードだった。このテストボードは適切に動作させるために大幅な再作業が必要だったため、問題を特定して修正した後、Appleは修正された設計がグラスファイバーPCBで正しく機能することを確認する必要があった。「Celebration」Apple-1は、Paul TerrellのByte Shop向けに最初の50台を製造する前の検証ユニットとなった移行期のボードだ。

生産版との明確な違い

構造面で、現存する他のApple-1コンピューターと明確に異なる点がある。ICチップを差し込むためのソケットには、wave-soldered(自動はんだ付け)されたRobinson-Nugent社製を使用しており、生産版ボードで使用された安価なTexas Instruments社製とは異なる。また、テスト用に地元で調達した手はんだコンポーネントの独自の組み合わせを採用している。例えば、コンピューター定格ではないがラジオ修理店で簡単に入手できた2つの一般的な銀色のSprague 39Dコンデンサー(電子部品の一種)などだ。

ボードには小型の非標準ヒートシンクが搭載されており、電圧調整エリアには大型の生産スタイルヒートシンクが取り付けられた形跡がない。また、DRAMリフレッシュに使用される74123タイミング回路への独自の変更も含まれており、本格的な生産前のタイミング問題の診断と一致している。

上記のような構造的特徴から、「Celebration」Apple-1がすべてのByte Shopボードより前のものであり、小売販売を意図したものではなかったことが分かる。Appleが実験的プロトタイプから製造可能な製品への移行を遂げた瞬間を体現しており、同社がコンピューター企業として台頭し始めた起点を示している。

Apple-1専門家Corey Cohenが2016年5月にこのコンピューターを検査し、2025年12月に報告書を改訂した。Cohenは、ユニットの外観コンディションを6.5~7.0と評価している。機能テストは実施されていない。コンピューターはApple-1 Registryに#75として「Celebration」Apple-1として記録されている。

落札者は、オリジナルのApple-1ボード、1977年頃のKey Tronicキーボード、電源、Sony製テレビ、Steve Wozniakが青いフェルトペンでサインしたApple-1操作マニュアルとApple-1回路図のレプリカを受け取る。

Apple 50周年記念オークション

Appleの創業50周年を記念して開催された今回のオークションでは、Apple-1プロトタイプボード以外にも、同社の歴史的遺物が数多く出品された。

同オークションでは、Apple Computer Inc.の最初の小切手も出品され、見積もり額50万ドル(約7900万円)を大幅に上回る241万ドル(約3億8078万円)で落札された。

今回の一連の落札により、Apple-1プロトタイプボードはコンピューター史における最も価値のある遺物の1つとなった。

関連情報

Apple-1 Computer Prototype ‘Board #0’

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