
LexxPlussが、製造や物流の現場で人の代わりに働くモバイルマニピュレータ「LexxMoMa」シリーズの予約受付を2026年2月17日に開始した。
モバイルマニピュレータとは、車輪で移動する台車にロボットアームを搭載した産業用ロボットだ。従来の製品は「目的地まで移動してから、止まって作業する」という手順が必要だったが、LexxMoMaは独自のソフトウェア制御により、移動しながらアームを同時に動かす「手足のシンクロ動作」に対応した。同社によれば、この機能により作業員の1.5倍、従来製品の4倍の生産性を達成したという。
同社はLexxMoMaを「インダストリアルヒューマノイド」と位置付けているが、人間そっくりの二足歩行ロボットとは設計思想が異なる。足元はあえて車輪にすることでエネルギー効率と安定性を確保し、工場や倉庫に必要な機能だけを残す「引き算」の発想で設計した。24時間365日の連続稼働が可能で、作業精度は±20mm以内を維持する。
シリーズ第1弾の「LexxMoMa R1」は、国内大手自動車製造グループ各社の生産ラインで技術検証を重ねて開発された。製造ラインでの部品搬送や組み立て支援、物流倉庫でのピッキングや仕分けといった工程を想定している。自動車業界と半導体業界を中心に優先販売予約を受け付けており、導入シミュレーションや実機見学にも対応する。
LexxPlussは、ボッシュで自動運転開発に携わった阿蘓将也(あそ・まさや)氏が2020年に創業したスタートアップだ。自動搬送ロボット「Lexx500」をオープンソースのハードウェア設計図とともに公開するユニークな手法で注目を集め、佐川急便のアクセラレータープログラムでの実証実験を皮切りに事業を拡大した。2024年には三菱HCキャピタルやニフコ、三櫻工業との資本業務提携を経てシリーズAで6億4000万円を調達。2025年にはForbes Asia 100 To Watchに選出され、トヨタ車体とモバイルマニピュレータを共同開発するなど、自動車産業との連携を深めてきた。2026年1月には京セラCVCからの出資も受けている。
製造業では2030年までに約38万人の労働力が不足すると予測されており、物流現場でも作業員の高齢化が進む。LexxPlussは2033年までに年間1万台のLexxMoMaを供給する体制を目指し、人手不足の解消に取り組む。

