
地下鉄の運行情報をリアルタイムで把握する手段は、スマートフォンのアプリが一般的だ。だが画面を開くたびにアプリを起動する必要があり、部屋にいながら常時確認するには向かない。
ある開発者がこの課題に取り組み、Raspberry Pi Zero 2WとアドレサブルLED「WS2812B」を組み合わせた壁掛け型のリアルタイム交通表示装置「CharlieBoard」を製作した。ボストンの地下鉄MBTA(マサチューセッツ湾交通局)のレッドラインを対象に、路線図上のLEDで車両の現在位置や速度、混雑度を常時表示する。
CharlieBoardの仕組みは、MBTA V3 APIからSSE(Server-Sent Events)でリアルタイムデータを受信し、Pythonスクリプトが車両位置を更新するというものだ。当初はRaspberry Pi Pico WでAPIポーリング方式を試したが、SSEストリーミングに切り替えたところ、表示の遷移が滑らかになった一方、メモリ要件が増えたためRaspberry Pi Zero 2Wを採用した。
地図はGIS(地理情報システム)ソフト「QGIS」で実際の地理データをもとに作成しており、駅の配置が実際の位置関係を反映している。LEDの実装方法はLEDストリップまたはカスタム基板(KiCadの設計データとGerberファイルを公開)から選べる。
表示モードは車両の到着状況、速度、混雑度の3種類を切り替えられる。同一ネットワーク上のWebブラウザーからアクセスできるWeb UIを備え、表示モードやカラーパレット、輝度、スケジュール設定を操作できる。
必要な部品はRaspberry Pi Zero 2W、WS2812B LED、5V 4A電源、16GB以上のmicroSDカード、額縁で、製作費はLEDストリップを使う場合は50ドル(約7700円)から、カスタム基板を発注する場合でも180ドル(約2万8000円)以内に収まる。
プロジェクトはMITライセンスで公開されており、Pythonコード、基板設計データ、QGIS地図作成チュートリアル、他の交通システムへの移植ガイドを含む。セットアップスクリプトも用意されており、MBTA APIキーを取得すれば比較的手軽に導入できる。製作者はMBTAの他の路線(ブルー、オレンジ、グリーン)用のディスプレイも開発中で、モジュラー設計により他都市の地下鉄への応用も想定している。

