
Raspberry Pi Zero 2 Wを太陽光だけで駆動し、大規模言語モデル(LLM)を動作させるプロジェクトがhackster.ioで公開された。外部電源や隠れたバッテリーなしに、ソーラーパネルの直流出力だけでAI推論を走らせる構成だ。
Dominik氏が製作したシステムの構成は、Raspberry Pi Zero 2 W、6Wの単結晶ソーラーパネル(5V/1A)、DFRobot Solar Power Manager 5V、LiPoバッテリーの4点で完結する。Raspberry Pi Zero 2 WはRAMが512MBしかないが、Ollamaを使って8ビット量子化したSmolLM2(1億3500万パラメーター)を動作させた。
太陽光で直接ラズパイを駆動すると、雲がかかった瞬間にシステムが落ちてしまう。Dominik氏はDFRobot Solar Power Manager 5V(約1200円)をソーラーパネルとラズパイの間に挟み、LiPoバッテリーを接続することでこの問題を解決した。Solar Power ManagerはMPPT(最大電力点追従)に対応しており、ソーラーパネルから取り出せる電力を最適化する。バッテリーの過充電や過放電、逆接続からの保護機能も備えている。
消費電力の実測値についても動画で触れられている。Raspberry Pi Zero 2 Wはアイドル時に150mA、LLM推論時に600mAを消費する。5V駆動のため、推論時の消費電力は約3Wだ。一方、晴天時のソーラーパネル出力は約300mAで、10時間の日照で3000mAh分のエネルギーを蓄えられる計算になる。変換損失を差し引いても、LLMの連続推論を4~5時間維持できるとDominik氏は報告している。
1億3500万パラメーターのモデルでは複雑な質問には対応できないが、基本的な質問にはそれなりの速度で回答できたという。Dominik氏は、より大きなソーラーパネルとRaspberry Pi上位モデルを組み合わせれば、DeepSeekの小型モデルなども動かせる可能性があると述べている。LLM以外にもWebサーバーやホームアシスタント、ロボティクスなど、電力網のない場所での自律的なコンピューティングに応用できる構成だ。部品コストはソーラーパネルが約15ドル(約2300円)、Solar Power Managerが約8ドル(約1200円)で、Raspberry Pi Zero 2 W本体を除けば数千円の追加投資でソーラー駆動に移行できる。

