市販品の数十分の一、Arduinoでグラニュラーシンセサイザーを自作

FabScene(ファブシーン)

グラニュラーシンセサイザーは、入力した音声をミリ秒単位の極小の断片(グレイン)に細断し、それらを並べ替えたり重ねたりして独特の質感を生み出す音響処理機器だ。実験的な音楽制作に使われる人気ジャンルだが、市販品では3万円台〜5万円台と安価ではない。

Sid Rockett氏はこの機器をArduino Nano R4で自作し、「Arena Digitalis」としてオープンソースで公開した。Arduino Nano R4本体は12.10ドル(約1900円、日本では約2600円)で、追加で必要なオーディオジャック、ポテンショメーター、ボタン、LED、コンデンサー、抵抗を合わせても、市販品の数十分の一のコストで同様の効果を得られる。

グラニュラーシンセサイザーの自作が難しいのは、音声サンプルを保存するためのメモリとリアルタイム処理のための演算能力が同時に必要だからだ。Arduino Nano R4に搭載されたルネサスのRA4M1マイコンは32KBのRAMと48MHzのクロック速度を持ち、この要件をコンパクトなフォームファクタで満たしている。アナログ入力ピンとDAC(デジタル-アナログ変換器)も内蔵しており、外付け部品を最小限に抑えられる。

必要な追加部品はオーディオジャック、ポテンショメーター、ボタン、LED、コンデンサー、抵抗のみ。これらで入出力と操作インターフェースを構成する。グレインのサイズ、トーン、ミックス、スピードをノブで調整でき、「ランダム」ボタンを押すだけで細かい設定なしに音を生成することもできる。

Arena Digitalisは単体では音を生成しない。CDプレイヤー、シンセサイザー、エレキギターなど外部の音源を入力として使い、その音を処理する。入力音源を問わず、グリッチのような質感を加える効果は他の手段では得にくいものだ。

ソースコードはGitHubで公開されている。

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