GoogleとRaspberry Piが共同開発した音声認識キット「AIY Voice Kit」は、その後のOS更新のたびにドライバーの互換性が失われ、多くのユーザーの引き出しの肥やしになってきた。Bullseyeまで動作させるフォークは存在したものの、マイクが完全には機能しないという制約があった。
Noir_Forever_Twitch氏がそのフォークをベースに作業を続け、最新のRaspberry Pi OS「Trixie」(Linuxカーネル6.12ベース)での完全動作を達成した。同氏がGitHubで公開したフォーク(HorseyofCoursey/trixie-aiyprojects)は、カーネルAPIの変更に追従するために次の修正を加えている。
サウンドドライバーとrt5645コーデックにおけるAPI名称変更への対応(2か所)、aiy-io-i2cのプローブ署名修正、GPIO・PWM・ADCの3つのプラットフォームドライバーにおけるremove()戻り値型の修正、GPIOドライバーのヘッダー不足の補完、カーネル6.12の新しいpwm_chipオーナーシップモデルに対応したPWM APIの全面書き直し、BCM2837向けデバイスツリー互換文字列の修正、Makefileのアウトオブツリービルドスタイルへのコンバート——これらを一通り解決した結果、マイクを含む完全機能でのTrixie動作が確認された。
同氏がコメントで補足しているように、古いOSでは動作するが新しいOSやアプリケーションで使いたい場合に互換性の問題が生じるため、このアップデートの意義がある。次のカーネル更新で再び対応が必要になる可能性はあるが、今のところ引き出しのボードを再活用できる選択肢が増えた。
なお対応するのはv2に相当するVoice Bonnet(小型フォームファクター)のみで、v1のVoice HATは対象外だ。同氏は他のバリアントへの対応も検討しており、手元に使わなくなったハットがあれば送ってほしいと呼びかけている。