天体観測ファンが開発、ラズパイで月の満ち欠けを美しく表示するE-inkディスプレイ

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Raspberry Piとe-inkディスプレイを組み合わせた天体観測デバイス「AstroInky」が開発された。開発者のNibron氏がGithubで公開したこのプロジェクトは、月の満ち欠けや惑星の位置を美しく表示する卓上デバイスとして制作された。

AstroInkyは、7.3インチのInky Impression Spectra e-inkディスプレイとRaspberry Pi Zero Wを使用して構築されている。妻の誕生日プレゼントとして制作されたという同デバイスは、月を愛する妻のために月の表示画面を最初に設計し、その後4つのボタンを活用してより多機能なデバイスに発展させたという。

ディスプレイには現在の月の満ち欠け、日の出・日の入り時刻、月の出・月の入り時刻、方角などの天体情報がリアルタイムで表示される。e-inkディスプレイの特性により、電力消費を抑えながら紙のような自然な表示が可能になっている。

Pythonライブラリで天体計算を実現

AstroInkyのソフトウェアは、天体計算にPythonの「ephem」ライブラリを使用している。開発者によると、コードは「非常にハック的」で最初のプロジェクトとしては完璧ではないとしているが、GitHubで全てのコードと詳細な制作手順を公開している。

必要なハードウェアは比較的シンプルで、GPIO対応のRaspberry Pi、Inky Impression 7色対応5.7インチスクリーン、SDカード、電源、インターネット接続のみとなっている。ただし開発者は「特に簡単にカスタマイズできるプロジェクトではない」と注意喚起している。

プロジェクトには複数の表示モードが用意されており、太陽系の惑星を現在の概略位置で正確に視覚化する機能や、NASA APODの表示機能なども含まれている。4つのボタンにより、これらの画面を切り替えながら様々な天体情報にアクセスできる。

開発者は今後のカスタマイズについて、個人向けに制作したため他の人が簡単に複製することは想定していないとしているが、興味のある開発者向けにGitHub上で全ての情報を公開している。

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Github

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