
Vtuberの空望サテラ氏が、M5StickC Plus2を使ったオーロラ予報ガジェットを制作した。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)のAPIから地磁気活動指数(Kp指数)を取得し、GPSで取得した現在位置と組み合わせて、オーロラの可視性をリアルタイムで判定するデバイスだ。
システムの核となるのは、地磁気活動の強さを示すKp指数(0~9)と現在位置の緯度の組み合わせだ。太陽からのプラズマが地球の磁場に影響を与えることで発生するオーロラは、Kp値が高いほど低緯度地域でも観測可能になる特性を持つ。
デバイスは3つの緯度帯で異なる判定基準を適用している。緯度64度以上の地域では、Kp値4以上で「Unlikely(可能性が低い)」から「Strong!(強く見える可能性あり)」まで5段階で表示する。64度から42度の中緯度帯では、より厳しい基準でKp値7以上で「Possible(可能性あり)」と判定される。
42度未満の低緯度地域では、Kp値8以上でようやく「Slight chance(わずかなチャンス)」と表示される仕組みだ。北海道南部が約42度に位置することから、日本国内でのオーロラ観測の困難さも表現されている。
複数WiFiアクセスポイント対応で屋外利用を想定

ハードウェア構成は、M5StickC Plus2本体にGPSユニットをUART接続で組み合わせている。接続には「StickC Bridge」を使用し、コンパクトな構成を実現した。ソフトウェアはM5Unifiedライブラリを使用してUI表示を行っている。
通信機能では複数のWiFiアクセスポイントに対応し、屋外での利用を想定した設計となっている。NOAAのAPIから取得したKp値は、G0からG3+までのレベル分けで視覚的に表示され、地磁気の乱れ具合をコメントでも確認できる。
表示画面は、タイトル画面、Kp値表示、オーロラ可視性判定の3つで構成されている。可視性判定では、参考地点としてレイキャビク(64.1度)と札幌(43.1度)も同時表示し、現在地との比較が可能だ。判定結果は色付きコメントとマークで分かりやすく表示される。
空望サテラ氏は今後の発展として、「太陽風スピード」「太陽風密度」など他の宇宙天気要素も組み込んで、より精密な判定システムの構築を目指すとしている。
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