
カバンの中で鍵やカードケースが見つからず、中身を全部ひっくり返した経験はないだろうか。急いでいるときほど見つからず、数十秒の探し物がストレスになる。スマートフォンのスクリーンショットをPCに送る、財布を探す、こうした日常の小さなストレスは積み重なると意外と煩わしい。
あるMakerがこの課題に着目し、Bluetooth経由でスマホから操作してLEDを光らせる目印キーホルダーを製作した。「毎回ガサゴソ探すのが地味に嫌で、じゃあ自分用に作ろう」。製作者の空望サテラ氏がこのプロジェクトを始めた動機はシンプルだ。
音を出さず、光るだけのシンプル設計
このキーホルダーの特徴は、機能を徹底的に絞り込んだ点にある。スマホの無料アプリから操作すると、内蔵されたフルカラーLEDが虹色に光る。音も通知も振動もない。外出先や電車内でも周囲を気にせず使える。
「機能を増やすと生活から浮いてしまう」と空望サテラ氏は説明する。ガジェットとしてではなく、生活小物として日常に溶け込むことを意識した結果、この割り切った設計にたどり着いた。
使用している部品は、技適マーク付きのXiao ESP32-C3マイコン、WS2812Bネオピクセル1個、容量85mAhの3.7Vリポバッテリー、電源用スライドスイッチ、3Dプリントケースのみ。製作費用は1個あたり約1800円だ。
Arduino IDEとFastLEDで虹色変化を実現
プログラムはArduino IDEで開発し、FastLEDライブラリを使用した。スマホアプリからBluetoothで「0x01」というデータが送られてくるとLEDをオンにし、「0x00」でオフにする。LEDの虹色変化は、HSV色空間の色相(Hue)を1ずつ増やすことで実現している。
スマホアプリは「nRF Connect for Mobile」という無料アプリを使用する。アプリでBluetoothデバイスをスキャンし、「XIAO_Tag」という名前の機器に接続後、特定のUUID経由でデータを送信すればLEDが点灯する。
ケースは直径30mm、高さ15mmの丸みを帯びた形状で、3Dプリント用レジンで製作されている。最初は箱型にしたが、生活小物らしくないためボツにしたという。天面を1mm以下の厚さにすることで、内部のLEDの光が透けて見える構造になっている。
課題はバッテリー持続時間、今後は省電力化を検討
Bluetoothを常時オンにしているため、バッテリーは約2日で切れる。空望サテラ氏は今後のアップデートで、30秒間操作がなければスリープし、必要時のみ復帰する処理を追加することで、約1週間の駆動時間を目指すという。
製作にあたっては、ESP32-C3へのプログラム書き込み時にBOOTボタンとRESETボタンの同時押しが必要なこと、ネオピクセルLEDの接続方向(DIN側にGPIO3を接続)に注意が必要だ。リポバッテリーは保護回路付きの製品を使用し、極性を間違えないよう慎重に取り扱う必要がある。
設計データや詳細な製作手順は、空望サテラ氏のnoteで販売している。加えて、なお、作者の空望サテラ氏自身も専用のアプリを提供している。同様の仕組みは、ペット用首輪や子供の通学バッグ、リモコンの目印など、応用の幅も広い。
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