
市販のデジタル時計の大半は角ばったセグメント表示を採用し、手動で時刻を設定する必要がある。さらにLEDの光が寝室を照らしてしまう。製作者のByron Knoll氏は、美しいフォントで時刻を表示し、WiFi経由で自動同期し、光を発しない時計を探したが見つからなかった。条件を満たす製品がほぼ存在しない現状に不満を感じ、自作することにした。
Kindleから電子ペーパーへ
Knoll氏は最初、Kindle Paperwhiteで時計を製作した。E-inkディスプレイは明るい部屋でも視認性が高く、バックライトで暗い環境でも見える。Webブラウザで時刻を表示するWebサイトを開く方式だったが、スクリーンセーバーが自動起動して広告を表示してしまう。無効化にはジェイルブレイクが必要だった。額縁に収めてブラウザパネルを隠し、壁掛け可能にした。
Kindleの問題を解決するため、電子ペーパーディスプレイを使った新バージョンを製作した。Waveshareの「7.5インチ電子ペーパーOptical Bondingディスプレイ」と「e-Paper Driver HAT」、Raspberry Pi Zero 2 Wを採用した。
電子ペーパーディスプレイは光を一切発しない。暗闇では完全に見えなくなるため、真っ暗な寝室を実現できる。直射日光下でも視認可能なアンチグレアディスプレイだ。毎分部分更新を行い、毎時フル画面リフレッシュする。WiFi経由でNTPサーバーから時刻を取得するため、常に正確な時刻を表示し、サマータイムにも自動対応する。
ケースはTinkercadで設計し、3Dプリントで製作した。総コストは約150ドルだ。Raspberry Pi Zero 2 Wを使用しているため、オープンソースソフトウェアで動作する。キーボードとモニターを接続すれば、天気、株価、カレンダーなどを表示するカスタマイズも可能だ。
Knoll氏は2025年12月にKickstarterでプロジェクトを開始する予定だ。

