小型ディスプレイで株価をリアルタイム表示 ESP32ベースの株価トラッカー

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ESP32ベースの小型ディスプレイ「LilyGo T-Display S3 AMOLED」を使用した株価トラッカーの作例が、GitHubで公開されている。Yahoo Finance APIから取得したデータをローソク足チャートで表示し、日中の株価変動を手軽に確認できる。

主な機能として、任意の銘柄コード(ティッカー)の株価データをYahoo Financeから取得し、リアルタイムでローソク足チャートを表示する。時間軸は1分、2分、5分、15分、30分、1時間、日足から選択可能で、デフォルトではS&P 500 ETF(SPY)を1分足で5秒ごとに更新する設定となっている。

設定はすべてWebインターフェースから行える。デバイスのIPアドレスにアクセスすることで、表示する銘柄、時間軸、更新間隔、表示するローソク足の本数などを変更できる。静的IPアドレスの設定も可能だ。開発者のmelo-gonzo氏は、スマートフォンを取り出すことなく、また大型モニターを設置することなく、日中の株価トレンドを確認したいというニーズから開発したという。

一日の株価変動を示すローソク足は最小1ピクセル幅まで縮小可能で、小型ディスプレイでも最大約450本のデータを表示できる。価格の上昇時は緑、下降時は赤で表示され、現在価格を示すリアルタイムラインも表示される。Y軸は表示されているデータに基づいて自動的にスケーリングされ、市場が閉まっている時間帯には視覚的なインジケーターが表示される。

開発にはPlatformIOを使用し、WiFiの認証情報を設定してビルド・アップロードする。ソースコードはC++で記述されており、開発者は最新のLLM(大規模言語モデル)、特にClaudeファミリーを活用してコーディングを行ったという。C++初心者でも理解しやすいよう、プロジェクト全体を1つのファイルにまとめるPythonスクリプトも含まれている。

現在の制限事項として、大量のデータを伴う時間軸と範囲の組み合わせ(例:10年間の日足データ)は処理できない。また、ディスプレイのサイズにより表示できるローソク足の本数に上限がある。

将来的な改良計画として、再起動後のデータ永続化、テクニカル指標のオーバーレイ表示、スワイプによる複数銘柄の切り替え、外部データベースとの連携などが検討されている。3Dプリント可能なケースのデータもPrintablesで公開されており、実用的なデスクトップガジェットとして活用できる。

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