
120mmファン1個に相当する面積を確保するには、30mmファンが何個必要か。ハードウェアYouTubeチャンネル「Major Hardware」がそのアイデアを実際に試した。
手元にあったドローン玩具のプロペラを観察しながら「小型ファンを並べれば大型ファンに匹敵できるか」と考えた制作者は、AmazonでRPM7500・4.5Vの30mmモーター5本セットを入手した。120mmファンの面積に対して30mmファンは約14.3個分が必要という計算から、余裕を持って15個を目標に設定した。
フレームはNoctuaのA12X25(120mmファン)をモデルに3Dプリントで製作した。120×120mmの標準フレームに振動吸収パッドの溝を加え、上部にドーム形状(レーダードームのような外観)を追加することで15個のファンダクトを配置するための面積を確保した。中央に1個、外周に5個、ドーム底部に9個という配置だ。フィラメントはA12X25に似せてブラウンとベージュ系を選んでいる。
配線は15本が中央に集中すると気流を妨げるため、各ファン近くにドリルで穴を開けてケーブルを外に引き出し、3Dプリンティングペンの溶かした樹脂で表面に固定した。内部の通路をふさがない工夫で、仕上がりの見た目は「マンハッタン計画のトリニティ実験で使われた原爆『ガジェット』に似ている」として、そのままThe Gadgetと命名した。
煙を使った可視化テストでは、外側への乱れが少なく比較的まとまった気流が後方へ流れる様子が確認できた。ドーム形状が気流を圧縮する効果を持つ可能性があるという。

Noctua U12Aクーラーに搭載し、Intel Core i7-7700K(4.9GHz)を20分間負荷をかけたテストでは、A12X25のデルタ温度51.1℃に対してThe Gadgetは50.8℃と、わずかではあるが上回る結果が出た。誤差の範囲内ながらも「ミームとして作ったものが本物のA12X25を僅差で超えた」というのが制作者の評価だ。
一方で騒音は73dBを記録し、A12X25(約24dB)と比べ物にならない爆音だ。性能向上が約6%であるのに対して、騒音は桁違いに大きい。フレームはその後、バージョン1の不具合(モーターマウントの割れ、振動吸収パッドの溝の欠落)を修正した版で完成している。ファームウェアやソフトウェアは一切不要で、4.5V・5AのDC電源をつなぐだけで動作する。

