ESP32とステッピングモーターで静音カーテン開閉装置を自作、Home Assistantとも連携可能

FabScene(ファブシーン)

朝、自然光で目覚めたいがカーテンを開けに起き上がるのは面倒だ。市販のスマートカーテンは高価で、既存のカーテンレールに合わないこともある。あるMakerがこの課題に取り組み、ESP32ベースのカーテン開閉装置「MorningRope」を開発した。

MorningRopeは、カーテンレールに沿って張ったロープをモーターで巻き取ることでカーテンを開閉する仕組みだ。各カーテンパネルの背面にキャリッジを取り付け、そこにロープを通す。モーターユニットは壁に設置し、ロープを引っ張ってカーテンを動かす。

制御にはESP32-C3を採用し、ステッピングモータードライバーにTrinamic TMC2209を組み合わせた。TMC2209はStealthChop機能により静音動作が可能で、カーテン開閉時の動作音はほぼ聞こえない。加えてStallGuard機能を備えており、モーターの逆起電力を監視して脱調(ステップ抜け)を検知する。カーテンが障害物に引っかかった場合でも自動で停止するため、リミットスイッチなしで安全に運用できる。

FabScene(ファブシーン)
カーテンが開閉する様子(画像出典元:GitHub)

Wi-Fi経由のHTTPリクエストで外部連携

操作は本体の2つのボタンに加え、Wi-Fi経由のHTTPリクエストにも対応する。Home AssistantやNode-REDなど、HTTPリクエストを送信できるシステムと組み合わせれば、時刻や日の出に合わせた自動開閉が可能になる。製作者によると、Matter対応も予定しているという。

移動距離の制御はステッピングモーターのステップ数で管理する。ブラウザからアクセスできる設定画面で開閉距離をインチ単位で指定すると、ESP32がステップ数に変換して制御する。

バックタブ式カーテンやリング式カーテンに対応する。取り付けは両面テープ、小さな釘、またはネジで壁に固定する方式で、賃貸住宅でも導入しやすい。3Dプリントパーツの造形時間は約12時間、組み立ては約20分で完了する。

設計データと基板設計(VAL3000)、ファームウェアはGPL-3.0ライセンスでGitHubに公開されている。部品を個別に調達すると割高になるため、製作者はキットも販売している。

関連情報

MorningRope(GitHub)

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!