
8ビットゲームとチップチューン音楽を1台で楽しめる自作システム「Ntron Type 2」の設計データがMakerWorldで公開された。製作者のArtifextron氏が2025年11月28日にリリースしたもので、3Dプリント用ファイル、配線図、パーツリスト、ソフトウェアイメージまで一式が揃っている。
Ntron Type 2は2つのモードを切り替えて使う。ゲームモードではRaspberry Pi 3B+上のRetroPieが動作し、内蔵ディスプレイでNESなどのレトロゲームをプレイできる。NESコントローラーをそのまま接続可能で、セーブステートにも対応する。シンセモードに切り替えると、Teenage EngineeringのPO-20 ArcadeとKorg Monotron Delayによるチップチューン演奏が可能になる。LEDマトリクスがオーディオビジュアライザーとして音に反応し、演奏中の視覚的な演出も担う。
PO-20とKorg Monotronの組み合わせ

シンセ部分の構成が特徴的だ。PO-20 Arcadeは小型ながらチップチューンサウンドに特化したシーケンサー内蔵シンセで、Korg Monotron Delayと組み合わせることでディレイやフィードバックを加えた音作りができる。両機器には個別の電源スイッチが設けられており、使わないときはバッテリー消費を抑えられる。
LEDマトリクスの前面には溶接用バイザーの一部を切り出して配置し、LEDの光を和らげてスクリーンのような見た目に仕上げている。ESP32ボードがマトリクスを制御し、起動時のウェルカムメッセージもカスタマイズできる。
本体は複数パーツに分割して3Dプリントし、エポキシ接着剤で組み立てる。3MFファイルはBambu LabのX1CとP1S向けに最適化されており、サポートやブリムの設定が済んだ状態で提供される。仕上げにはグロスニスを塗布した上でデカールを貼り、マットニスで保護する工程が推奨されている。

Artifextron氏は以前にも初代Ntronを公開しており、そちらはTwisted ElectronicsのHapinessシンセとカスタムキーボードを搭載した構成だった。Type 2はその続編として、よりコンパクトなシンセ構成と独特のライラック色調を採用している。RetroPieイメージとESP32用ファームウェアも配布されており、ソフトウェア面の設定は最小限で済む。

