PICマイコンで約2ドルのArduino互換ボードを自作――フランス発オープンソースプロジェクト「Pinguino」を活用

FabScene(ファブシーン)

Arduinoは手軽なマイコンボードとして広く普及しているが、ボードの構造を理解せずに使っている人も多いだろう。Arduinoとは特定のチップのことではなく、ボードとIDE(統合開発環境)、ブートローダーを含むエコシステムの総称だ。

ある電子工作愛好家が、Microchip PIC18F4550マイコンをブレッドボード上に組み、Arduino互換のコードを書き込めるボードを約2ドル(約310円)で自作した。ベースとなったのは、フランス発のオープンソースプロジェクト「Pinguino」だ。PICマイコンのUSB内蔵機能を活用し、Arduinoと同様のプログラミング体験を提供することを目指して開発された。

製作のポイントは2段階のプログラミング手順にある。まずPICPGMというPICプログラマーを使い、PinguinoのブートローダーをPIC18F4550に書き込む。この作業は最初の1回だけで済む。ブートローダーを書き込んだ後はUSB経由でPCと接続し、Pinguino IDEからArduinoに似たC++ライクなコードを書き込める。

回路構成はシンプルで、PIC18F4550のDIPパッケージを中心に、7805レギュレーターによる電源回路(9V電池から5Vに降圧)、USB Type-Bコネクター、GPIOヘッダーピンで構成される。クロックはマイコン内蔵のオシレーターを使っており、外付けの水晶振動子は不要だ。デジタル出力28ピン、アナログ入力5ピン、PWM出力2ピンを備える。

Pinguino IDEはテキストベースのプログラミングに加え、ブロックプログラミングにも対応している。Arduinoのスケッチと文法が近く、Arduinoの経験があれば移行しやすい。ただし「2ドル」はマイコンチップ単体の価格であり、ブレッドボードやUSBコネクター、レギュレーターなどの周辺部品は別途必要だ。また初回のブートローダー書き込みにはPICプログラマーが要る。

MicrochipやSTMicroelectronics、Renesasなど半導体メーカー各社も独自のArduino互換ボードを展開しており、PICマイコンでArduino互換環境を構築するPinguinoはその個人版ともいえる取り組みだ。

関連情報

Build a Pinguino Egypt – A PIC Based Arduino Clone(aeroarduino.com)
Pinguino PIC18F4550(Instructables)

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